「"T"の木村拓哉インタビューでいちばん面白い箇所と言えば」
「面白い箇所と言えば?」
「実は、インタビュアーから正義について質問されて、一生懸命長々と正義の相対性について述べて、普通の意味での正義なんて無いことを強調する」
「絶対的な正義はないってことだね」
「そうだ。日本では悪逆非道の象徴とされる原爆投下だって、アメリカでは正義の行為ってことになってる」
「ははは。笑い事じゃないけどね」
「そうだ。だから木村拓哉さんも言っているがそもそも戦争は良くないことだ。やったらいかん。勝つならやってもいい、なんてことはない」
「日本が戦争に勝っても、焼けて失われた資産は戻らないわけだね」
「日本人の死んだ命もね」
「勝つためには仕方がない犠牲だと言われても当事者は納得できないよね」
「そうだ。でもまあそれは横に置こう」
「まだ話があるの?」
「では正義なるものが本当にあるとしたらどこにあるのか」
「どこなの?」
「愛する人を守ることだという」
「やはり愛か」
「結局、正義よりも愛なんだよな。結論は」
「やはりヤマトだねえ」
「しかも、それすら絶対的ではないかも知れない可能性を示唆する。紙一重と言ってね」
「なるほどね。愛は人それぞれだものね」
「結局、強大な暴力装置を手にして正義に対する誠実さ示すとしたら、もうそこには愛しか残らない。しかも、愛すら盤石とは言えない」
「そうか。SPACE BATTLESHIP ヤマトの古代は愛する地球を守ろうとして、愛する家族を自ら殺してしまうわけだね」
「でも、それでも最後に残る価値は愛だけなんだ。それが誠実さの唯一の根拠になる」
というわけで §
「だからさ。もし木村拓哉と話せる機会があるなら、よく言ったと褒めてやりたいところだよ。頭を抱き抱えて髪の毛をくしゃくしゃにしてな」
「ははは。そこまで?」
「弟のように思っていたからな。まあそんな機会も無いだろうが」
「じゃ、もし機会があったらやるかい?」
「まさか。やるわけないだろ。相手から見たら兄貴じゃなくて知らないおっさんだぜ。やられたら気持ち悪いだけだろ」
オマケ §
「タイトルが意味不明なんだが」
「愛までは意味分かるだろう?」
「うん。そうだ。最後の誠が意味不明だ」
「愛と、と書いたらそのまま誠と連想したので書いた」
「じゃあ、あまり関係無いんだ」
「そうでもない」
「というと?」
「ヤマトのモチーフは西遊記と新撰組なんだ。そして、新撰組といえば旗は誠だ」
「わはは、そこにつながるのか」
オマケ2 §
「というわけで、ヤマトでやる新撰組というのを考えた」
「ほほう。するとどうなる?」
「沖田と土方は仲が悪い。しかも、沖田はドS。土方はマヨラー」
「おいおい」
「ヤマトに救助された土方が思わず言うわけだ。この船にはまるで沖田がいるようだな」
「うん」
「で、わざとヤマトを危険に晒すような命令ばかり出す。エンジン切って宇宙気流に乗って流されろとか」
「わははは。死ね、このくそ沖田とか思いながらか」
「沖田は沖田でドSだから、死んだふりをして後からちゃっかり出てくる」
「佐渡先生の誤診に責任をなすりつけてな」
「って、それは新撰組やのうて、真選組や」