「宇宙戦艦ヤマトの本質的な謎は、古代進が戦闘班長である理由だ」
「火星で特別訓練を受けたからでしょ?」
「火星には古代と島だけが行っている。しかし、この2名が選ばれた根拠が良く分からない」
「そこは描かれていないね」
「実が描かれている部分だけ見ても理由が良く分からない。知的エリートっぽい島が航海班長であるのはまあ分かる。人材が払底していれば、18歳でも出番があるかもしれない」
「うん」
「でも、古代は良く分からない。性格的にムラがありすぎるし、艦長を恨んでもいるし、無断出撃もしている」
「無断は島も一緒だけどね」
「主人公は視聴者の感情移入を可能にしなければならない。そのためには、知的エリートの島タイプではダメだ。感情移入できない」
「そうだね。同類という感じがしない」
「だから、人間的に弱い面を持たねばならないが、そうすると戦闘班長に就任する理由が明瞭でなくなる」
「そうだね。南部や加藤を差し置いて上に立つ理由が良く分からない」
「しかし、SPACE BATTLESHIP ヤマトになると、理由がクリアになる」
「えっ? そんな説明あったっけ?」
「無い。しかし、古代が生きていることが沖田の嘘を支える根幹だ。従って、沖田は古代をずっと目の届くところに置いておきたい。つまり、古代は第1艦橋勤務が必然的に求められる」
「なるほど」
「そこで、第1艦橋勤務の戦闘班は古代と南部だが、年長の古代の方が戦闘班長に向いていることになる」
「そうだね」
「実際は、コスモゼロのエースだった古代は、戦闘機隊の隊長あたりが相応しいとも言えるのだが、それでは沖田の目の届く場所とは言えなくなる」
「そうだね。パイロットは第1艦橋に詰めない」
オマケ §
「大変です、先生」
「なんだねスタビンズ君」
「真説・ドリトル先生アフリカゆき対輸送船ゆきのアクセスカウントが全く伸びていません」
「ふむ。どうしてだろう。わしの渾身の抱腹絶倒のヤマトネタが通じなかったのかね。やはり動物語で語ったので人間には通じなかったのか」
「語ってません」
「今考えるとアフリカゆきと航海記だけではネタが足りなかったのかもしれない。やはり、ドリトル先生イスカンダルからの使い、ドリトル先生イスカンダルに行く、ドリトル先生イスカンダルからの帰還と三部作までネタを広げるべきであった」
「それはきっと違います」
「通信士はガブガブとか」
「腹減った~、っていう通信士ならもう復活編にいます」
「なら、『ドリトル先生と緑のカナリア』の続編として、『ドリトル先生と緑の地球を取り戻そう』とか」
「どこの環境保護団体ですか」
「メインスタッフが詰めている第1艦橋だけは死守せよ、戦闘班」
「それは艦橋保護団体」
「しかし、何となく理由は見えてきたぞ、ルーク」
「スタビンズです」
「カテゴリ分けが表示されない環境で見ている人はタイトルしか見えない」
「えっ?」
「そこで、『輸送船ゆき』がヤマトネタを意味することに気づけないとカテゴリがヤマトでも読み飛ばす」
「みんな復活編のネタを息をするほど簡単に操れるわけでは無いってことですね」
「みんな軟弱だぞ」
「先生が異常なだけです」
オマケ2 §
「ドリトル先生は泣いても笑っても12冊しか無いので、子供の頃に自分で続きを書けば……と思いついた」
「ほうほう。ませたガキもといお子様ですな」
「もちろんヤマトの続編も自分で考えたがそっちはマンガ形式で途中まで描いた」
「それで?」
「具体的にドリトル先生の続編として考えたのは2つ。1つはドリトル先生航宙記。月で異星人の墜落した宇宙船を見つけてそれで宇宙を旅するのだ」
「へえ」
「もう1つは、ドリトル先生とタイムマシン。異星人とのファーストコンタクトに困った未来人が動物語の大家であるドリトル先生を頼って未来から来るのだ」
「面白そうじゃん」
「でも出だし数十行だけ書いて挫折」
「どうして?」
「何に困ったのかといえば、具体的なアイデアが無いからだ」
「わははは」
「そもそも、出だしが書けたらそのまま結末まで書けそうな気がするがこれが錯覚。全体の設計ができていないと話が続かない」
「読書とは違うわけだね」
「そうだ。出だしの掴みで上手く乗れれば結末まで読めるが、書く場合は違う」
「それで、その子供の君が考えたヤマトの続編というのは?」
「『さらば』が未公開の時代で、ヤマトの第1シリーズの続編だ。地球とイスカンダルの同盟にガミラスの残存勢力が対抗するという構図だ。宇宙ステーションに寄港中のヤマトがガミラス艦の奇襲を受けてそのまま海面に落下して沈没するが、そこからまた再生工事を受けて海底から復活するという筋書きだ」
「それで?」
「それだけ。行き当たりばったりに考えながら書いていくと、途中でどこにも行けなくなる」
「ははは」
「子供の浅知恵なんてそんなものだ」
「もう1回海底に沈めないとヤマトの話は始められない、という発想しかないわけだね」
「実際、さらば宇宙戦艦ヤマトも海底から飛び立っているから狙い目としては間違って無いけどな」
オマケIII §
「あ、今気付いた」
「えっ?」
「本題と関係無いけど、気付いたからメモっておく」
「うん」
「実はガ○ダムの続編も考えた」
「どんなの?」
「Zが影も形も無い頃で、ファーストガンダムの続編だ」
「どういう内容?」
「MSの時代が終わってMAが主役。人型ロボットは序盤でやられる時代遅れ役」
「つまりガ○ダムもやられるわけだね」
「実際にファーストガンダムを見ているとMSを超えた次世代兵器がMAという感覚だから、そういう未来像を描いても奇異ではない」
「そうだよね。いつまでも人型兵器ばかりという方が違和感あるよね。リアルタイムのファーストガ○ダム世代としては」
「で、その時点で考えた新鋭MAの名前が確かヴァルヴァラ。もちろん、当時としてはオリジナルだ。今は似たような名前のがあるかも知れないけど」
「ジオンのMAっぽいね。敵メカ?」
「いやいや。1年戦争の終結で人類の抗争は一応終わったということで、敵は異星人なんだよ。ファーストコンタクトものなんだよ」
「えっ?」
「結局ガンダム00劇場版をファーストガ○ダム直後に既に先取りしていたことになる。笑っちゃうけどな」
「なんで笑うんだよ。先見の明があるんだろ?」
「笑う理由は2つある」
- ファーストコンタクトなんて、既に小説SFではありふれたネタである (そもそもヤマトも広い意味でのファーストコンタクトの一種)
- 先取りしすぎると褒めて貰えない。むしろ理解されなくて馬鹿にされる
「わははは。そりゃ笑うしかないね」
「先取りしすぎると理解されないけど、実際はぜんぜん先取りじゃないって構造がまさに笑うしかないところだ」
オマケ完結編 §
「うん。だからさ。この自分で考えたヤマトの続編を見ても分かるけど、おいらにとってヤマトは現役であるのが前提なんだ」
「イカロスに隠したりはしないわけだね」
「しかも、現役の最前線の戦闘艦だ」
「うん」
「だから完結編の序盤はまさに燃えるのだよ」
「そうか。ヤマトはデスラーのピンチを救いに派遣された現役の最前線の戦闘艦というわけか」
「ヤマトの序盤のベストワンと個人的に思うのはだから完結編なんだ」
「SPACE BATTLESHIP ヤマトじゃなくて?」
「発進するまでヤマト出てこないし。ヤマトの序盤とは言いがたい」
「むむ。じゃヤマト2は?」
「現役だけど最前線の戦闘艦という感じでは無いのだよな。クルーも揃ってないし」
「なるほど。だからヤマト2より完結編なんだね」
「わかったかね、ルーク」
「おいらスタビンズでもないぞ」
オマケ復活編 §
「先取りしすぎると褒めて貰えないけど、実際はぜんぜん先取りじゃないって構造がまさに笑うしかないところだ」
「それがどうした?」
「実はSPACE BATTLESHIP ヤマト公開時に奇妙な現象が起きた」
「何?」
「復活編の感想のアクセスカウントが上がった」
「え、別の映画じゃん」
「だからさ。復活編の上映に気付いてなかった元ヤマトファンが多かったということだ」
「えっ?」
「だからDVDの売れ行きは良いらしい」
「それも難儀だな」
「だから、おいらは復活編の上映初日に見に行って感想を書いたから、何も先取りはしてないわけだ。試写会で見たわけでもない。通常の封切り後に見て感想を書いた」
「うん」
「でも、それでも早すぎたんだ」
「ははは」
「実は復活編には出遅れている。試写会があったことすら知らないぐらいだ」
「なるほど」
「でも、多数派から見ると感想を書くのは早すぎたんだ」