「いつまでも地震に関わってはいられない。島、進路反転180度。もとの進路に戻せ」
「進路反転180度、よーそろー」
「というわけで、ストレートなヤマトネタに戻るぞ」
「っていうか、延び延びになった原稿を書くだけだろ」
「そうとも言う」
「とか言っていたらまた原発でトラブルとかいうニュースだ」
「それはそれ。これはこれで行こう」
「ではさっそく、サヨナラを打ち続けてくれ」
「なんか違う」
本題 §
「ヤマト第1話の問題は以下の通りだ」
- 冥王星までガミラスの妨害を受けず沖田艦隊が行けてしまう根拠が不明瞭
- 撃っても効果がないことは既に分かっていたはずなのにわざわざ行く理由が不明瞭
- 古代守艦だけ敵を倒せる根拠が不明確
- 「沖田さんのフネだ。ひどくやられている」と他人事のように護衛隊長古代守が言うのが脳天気すぎる
- なぜ圧倒的に劣勢の沖田艦が逃げ出せたのか根拠が不明瞭
「うん」
「これに対して、実はSPACE BATTLESHIP ヤマトは全ての問題に答えを出しているという意味で凄い」
「どう凄いの?」
- 冥王星までガミラスの妨害を受けず沖田艦隊が行けてしまう根拠が不明瞭→火星に変更
- 撃っても効果がないことは既に分かっていたはずなのにわざわざ行く理由が不明瞭→前回よりもガミラスの防御力が上がっていた
- 古代守艦だけ敵を倒せる根拠が不明確→倒せてない
- 「沖田さんのフネだ。ひどくやられている」と他人事のように護衛隊長古代守が言うのが脳天気すぎる→そんな台詞は無い
- なぜ圧倒的に劣勢の沖田艦が逃げ出せたのか根拠が不明瞭→既に述べたが同航砲戦から反航砲戦に変更され、速度ベクトルが逆なので逃げられる確率は大幅に上がった
「なるほど。確かに問題解消だ」
「それだけじゃない。逆に泣かせどころとして演出も巧みだ」
- ガミラス艦の強度が上がっているという驚きの報告
- 「ついこのあいだのことだぞ」という悲痛な真田の叫び
- スクリーンに出てくる古代守の背後では火花が散っている。古代守艦も手ひどくやられている
- スクリーンの下の窓に転舵する古代守艦の姿
- 沖田艦を逃がすために囮になるのではなく、まさに盾になって沈む古代守艦
「なるほど」
「泣ける演出が徹底的に詰め込まれたシーンだと言える」
「そうか。それでいきなり泣けちゃった人もいるわけだね」
「アニメのヤマト以上に泣けるように構成されたシーンだと言えるからな。当然だ」
「でも、泣けなかった人もいるよ」
「理由は2つある」
「なに?」
「1つは映画とは感性のものだから印象は人それぞれってことだ」
「うん」
「もう1つは、答え合わせに行った人は採点に忙しくて実は映画など見ていない」
「え? 答え合わせ?」
「映画がアニメと同じかどうかってことさ。あるいは、自分の思い込みとどう違うかをチェックするのに忙しい人と言えばいいのかな」
「間違い探しゲームに忙しいってことだね」
「でも、間違っていて当然なんだ」
「どうして?」
「別の映画だから違っていることは前提でしかない」
「じゃあ、それは本当は間違いじゃないってこと?」
「そうだ。これは蕎麦を注文して出てきたのがラーメンではないと怒るようなものだ」
「どういう意味?」
「麺類はみんなラーメンみたいなものだと思い込んで蕎麦を注文したのは注文した本人が悪いってこと。蕎麦屋の店主は悪くない。蕎麦を出しますと書いて蕎麦を出したのだから」
余談 §
「昔FAQにこう書いたけどさ」
『ヤマトを見に行くつもりだとヤマトではないものを見せられます。ヤマトとは違うものを見に行くという決意を持って見に行くと、ヤマトに案内されるようになっています』
「うん」
「結局はそういうことなんだ」
「どういうこと?」
「ラーメン風の蕎麦という新メニューを開発した蕎麦屋で出てくるのはラーメンじゃなくて蕎麦だってことだ」
「そうか。ラーメンを期待して行った客はラーメンじゃないと怒るけど、それは最初から間違っているんだ。でも、ラーメン風の蕎麦はラーメンじゃなくて蕎麦であると思って食べるとラーメン風の味付けに驚くというわけか」
「SPACE BATTLESHIP ヤマトのスタッフは基本的に『映画屋さん』なので、彼らは良い映画を作ろうとするが、それはアニメ宇宙戦艦ヤマトという価値観と同じであるとは限らない。だから、ヤマトそのものは出てこない。当たり前だ。しかし、映画にヤマトへの愛を注ごうとする」
「たとえ作品を愛していても、切り口が違うわけだね」
「でも、愛は愛だ。それをいかに受け止めるかが問題だ」
「別の愛は拒否したら宇宙の愛とは言えないわけだね」
「そうか、宇宙の愛か」
「テレサに宿題をもらった真田みたいに言うな」
オマケ §
愛に目覚めると言えば。
「ゼンダアナライオン、自律モードで支援してくれ! 愛の鞭だ!!」
「効イタ~。愛ノ目覚メ~。システムメカ発進!」
「やった支援してくれるぞ」
「愛ノ自律モードオン」
「あれ?」
「雪サン。僕ト結婚シテ下サイ」
「別の誰かをターゲッティングしてる!」