「最近やっと分かってきた」
「それはなんだい?」
「松本零士が、ヤマトの原作者のような気分になってしまう理由だ」
「なんだそれは」
「実は、松本零士はヤマトに関係なく準備されていた大量の設定をヤマトに持ち込んでいる。出版済みのものもあれば、まだ出版されていないものもある」
「そうか。ヤマトと無関係にオレが準備したものが多くあるから、自分で作ったように思えてしまうわけだね」
「それだけじゃない」
「えっ?」
「松本零士が参加した時点でヤマトの企画は宇宙戦艦コスモとアステロイド6の合体企画だったのだよ」
「それってどういう意味?」
「企画を合体させることによって、企画者の顔が見えにくくなっていたのだ」
「そうか。企画を考えた人が曖昧化されていたわけだね」
「そうだ。そこで残る印象は『オレのアイデア』だけだ。つまり、それは容易に『オレが原作者』に化けやすい」
「でも、否定された解釈だよ」
「そうだ。企画の合体によって見えにくくなっただけで、他の企画者は存在するからだ」
「見えにくい≠存在しない、ってことだね」
「そうだ。それを見落とすと話がこじれる」
オマケ §
「更に言えば、ここで西崎さんが果たした役割は2つの企画を合成するアレンジャーだ」
「ゼロから考えたわけでは無い、ということだね」
「そうだ。だから西崎さんが原作者ではないかのような見方もできてしまう」
「でも、実際にゼロから考えてないよ」
「エースをねらえとトップガンからトップをねらえを考えた場合もゼロから考えていないが、トップをねらえはガイナックスの作品と認識される」