「会わせたい人がいます」
「会わせたい人?」
「地球の人が1人」
「地球の人!?」
「進、進じゃないか!」
「兄さん、キャスバル兄さん!」
「キャスバルって誰やねん」
「仮面なので間違えました」
「オレは仮面じゃねえ!」
「あれ、黒色本星の人ってみんな仮面でしょ?」
「オレはそんなに色黒じゃねえ!」
オマケ §
「どうでもいい話だが」
「なんだよこれ。意味が分からないよ」
「おいらにだって何を言っているのかさっぱりワカラン」
「じゃあ、それに何の意味があるんだよ」
「言葉の意味は分からないが、既に状況がグダグダになりつつあることだけは分かる」
「誰が正しいの?」
「そんなのは分からない」
「分からないけど、グダグダになっていることだけは分かるってこと?」
「それも明確では無いけどな」
「それってどういうこと?」
「グダグダこそがヤマトの裏の素顔だ」
「えー」
「こっちは、気楽にテレビの前に寝ころがって、『いいぞアナライザー、もっとスカートめくれ!』と言っているだけの立場だからな。グダグダも見物人だ」
「ヤマトとして面白ければなんでもありってこと?」
「そうだ。さあて、面白くなって来たぞ」
「面白がるところがちがうと思うぞ」
オマケ2 §
「そもそもヤマトというのは、第2次大戦時代の戦艦と、宇宙ロケットのハイブリッドキメラだ。従って、角度を少し変えるだけでいくらでも異論が出る」
「ロケットの発射手順と船舶の出航手順は違うから、そこでもう異論反論でまくりってことだね」
「かといって、第3の違うものです、と言い切るぐらいかけ離れてはいない」
「それは弱点?」
「いや、かけ離れてはいないから感情移入可能とも言えるのだ」
「難しいね」
「その危ういバランスがヤマトなのだ」
「崩壊しかねないじゃないか」
「そうだ。だから既に1回崩壊しているのだ」
「ぎゃふん」
オマケII-2 §
「じゃあ、第2次ヤマトブームも崩壊の芽を孕みながら進行するの?」
「そうだろうな。たぶん、ガ○ダムのように賞味期限が切れても延長するような醜態は曝さないで、その前に沈没するだろう」
「でも、それは未来の復活のための沈没なんだね?」
「そうだ。それがヤマトの宿命だ」
オマケIII §
「そうすると、氷川竜介さんに対する非難とかそういう発言もヤマトが必然的に内包する崩壊の芽?」
「さあな。そんなのは知らないが、おそらくそうだろう。何をしようと何が正しいだろうと、異論反論は常にあるのだろう。その際、誰が正しいかは何も知らない」
「でもさ。客観的な証拠で間違っている主張は間違いと主張できることもあるだろう?」
「ないことも無い。たとえば、ヤマトIIIを永遠にのテレビ版だという主張は一瞬で消し飛ばせる。現物見せたらおしまい。でも、それでも残る問題は一筋縄では行かない難物ばかり。それらは簡単に解きほぐせず、『ヤマト名物のグダグダ』としか言いようがなくなる」
オマケ2199 §
「かつて、それらのグダグダの多くは、西崎対反西崎という形に収斂した可能性もある」
「西崎さんの個性は強烈すぎたってことだね」
「でもさ。もう西崎さんはいないのだ。怨嗟をぶつける象徴が消失した今、グダグダはどっちを向くのだろうか」
「1つに決まる焦点が無いってことは、カオスってこと?」
「かもな」
「それとも別のスケープゴートを探すのかな?」
「氷川竜介さんとか、目立つから叩かれやすいだろうな。まあ個人的な知り合いでも何でも無いから、彼が正しいのか否かは何も知らないけど」
「でも、それだけでは済まないね」
「たぶんな。多くの人には上手く言語化できない屈折があり、それが目立つ対象にぶつけられていくだろう」
「でも、そうなってしまうのがヤマトってこと?」
「そうだ。そういう象徴的な存在がヤマトなのだ。屈折を受け止める媒体だね」
「ガ○ダムに半分肩代わりしてもらうってことはできないの?」
「できない。なぜなら『ガ○ダム=強化された僕』なんだ。自分をスケープゴートにはできない」
「ヤマトは他者なんだね」
「そうだ。みんなで動かすヤマトは誰のものでもない。ヤマトそのものが別の誰かなんだ」
「だから、『オレがガンダムだ』という台詞に対応するのは『ヤマトは父か、ヤマトは兄か、それともヤマトは我が友か』なのだね」
俺たちのヤマト §
「結局さあ」
「なんだい?」
「オレのヤマトイヤーは2010年であった。復活編で始まりSPACE BATTLESHIP ヤマトで終わった。That's All。その先は状況に乗れていない」
「これからもっと盛り上がるかもしれないよ」
「盛り上がることを期待してヤマトに群がる連中とは人種が同じじゃない」
「つまり、冬の時代のファンってこと?」
「第1次ヤマトブームの時もそうだった。俺のブームはヤマト冬の時代がメインであったと言える」
「たった1枚のヤマトの絵が入った印刷物が貴重だった時代だね」
「本屋で選べるほどの本が出ていることが夢想としてすら考えられなかった」
「ヤマトことば1つで、天地がひっくり返るほど大騒ぎするのと同じってことだね」
「そうだね」
「君のこの先の見通しは?」
「単純にSPACE BATTLESHIP ヤマトで完全燃焼したので、徐々にフェードアウトしていくことになるだろう。まあ、ヤマトは公開されれば見たいとは思うが通い詰めるほど見るかというと、それは分からない」
「第1ヤマトブームの時代と同じってことだね」
「当時との違いは、既に諦めはついているという点だな」
「昔はどうだったの?」
「時代が自分を追い越したことにかなり屈折して過剰な無関心もあった気がするが、今回は2回目なので落ち着いて状況の推移を見ている」
オマケ復活編 §
「そもそもヤマトというのは、第2次大戦時代の戦艦と、宇宙ロケットのハイブリッドキメラだ。従って、角度を少し変えるだけでいくらでも異論が出る」
「そう冷静に語れる君はどうなんだい?」
「だから。子供時代に丸を買ってるような叔父がいて、父親は軍用機とか軍艦のミリタリーの模型も作っていたのよ。で、ヤマト以前に自分が最初に買ってもらった文庫本が創元推理文庫のスタージョンのシービュー号で、自分で最初に買った文庫本が星新一のほら男爵現代の冒険。子供時代に好きだったのはアポロ計画とかを説明した子供向けのロケットの本」
「ってことはあれか? 第1話からして『第2次大戦時代の戦艦と、宇宙ロケットのハイブリッドキメラ』という認識を持って見てたってことか?」
「明確に意識したわけではないが、幸運にもそうであった」
「つまり、そういうものとしてのヤマトを受容したわけで、異論反論はなかったと?」
「他人に比べれば驚くほど異論は少ないガキだったと思うよ」
「宇宙はXXだからこの描写がおかしい、とか演説するタイプではなかったわけだね」
「ああ、そうだ。そういうのは昔からシャレの分からない嫌な奴と思っていた。でもおいらは少数派だったよ。孤立していた」
「ミリタリー派でもロケット派でもない中間に立てるのはたぶん希有な才能だよ」
「きっと、30代の松本零士が優秀すぎて、どっちの派閥にも夢を見させてしまったのがヤマトの敗因だ」
「ところで、スタージョンって、有名なスタージョンの法則のスタージョン?」
「考えてみればそうだな。シオドア・スタージョン。彼のことだ。彼が書いたシービュー号のノベライズだ」
「そうか」
「そういえば、子供の頃はシービュー号とスティングレイの小さいプラモを作った記憶がしっかりあるな」
「趣味はしっかり船系かい」
「しかし、もうスティングレイとかジョー90とか言ってもなかなか通じないだろうな」
「サンダーバードと違って露出もあまり無いしね」
「ネットは今やクラウド時代だから、せめてクラウドベースぐらいは」
「無理無理」
「そういえば、スペース1999のLDの全巻購入特典でもらったクラウドベースがまだ未組み立てで残ってるぞ」
「レアもの持ってる自慢?」
「いや、変なものしか持ってない残念な告白」
「ぎゃふん」