HDDからサルベージしたアッコ対決のパート2だ。ネタがもっと難しいぞ。さりげなくアニメ版のレインボーマンに流れているし。そもそも、ファン層が違うアッコ対決ですらネタに無理があるのに。一般ウケを狙ってないのが良く分かるぞ。
「秘密のアッコちゃん」対「ハーイ!あっこです」
アッコ対決2・ひみつのアッコちゃんの逆襲
前回の闘いで破れた秘密のアッコちゃんは、インドの山奥で修行して、つ
いに日本に帰ってきた。
「にっぽんか、ふっ、なつかしいぜ」アッコちゃんは、ただ乗りしてきた
貨物船を降りると言った。
誰もいない埠頭で、アッコちゃんは叫んだ。
「レインボー・ダッシュ・セブン!」
一瞬ののち、アッコちゃんはレインボーマンに変身した。
「レインボー、元素集合の術」
アニメ版を見ていない人には分からない技を使うと、アッコちゃんの手の
中には魔法コンパクトが現われた。
「これで、あのいまいましいあっこのやつを、やっつけてやるわ」
高らかな笑い声が、夜の海に響きわたった。
最大の危機が迫っているとも知らず、あっこさんは今日も買物に出ている。
「まったく、おかあさまったら。ぶつぶつ」
そう。あっこさんには、姑にいじめられると買物に出るという必殺技があっ
たのだ。
「そこの可愛い若奥さん!」
あっこさんは声をかけられて、振り向いた。
「あ、あたしのこと?」
「そうですとも」ヒッピー風のアクセサリー売りがこたえた。
「でも、アクセサリーなんて、いらないわ」あっこさんは言った。「だっ
て、要らないもの買って帰ったら、おかあさまに叱られてしまうの」
「大丈夫、これ、あげますよ。タダ」ヒッピーはさっとあっこさんの手に
ペンダントを握らせた。
「え、あの、えっ!?」あっこさんが驚いているうちに、ヒッピーは風の
ように姿を消した。
ペンダントを見ると、
「今夜8時、武道館にてまつ。秘密のアッコ」
と書いてあった。
「こんなの、行く必要ないわね」
すぐに、あっこさんの頭は、今晩のおかずの「おでん」でいっぱいになり、
ペンダントのことなど忘れ去った。
その日の夜、9時頃。
あっこさんは、帰ってこないジュンちゃんを待っていた。
「もう。今日は早く帰るって約束したのに」
そのとき、電話が鳴った。
「あ、きっとジュンちゃんからだ」
あっこさんは受話器を取りました。
「あっこさん……。勝負をすっぽかしたわね」
おぞましい秘密のアッコちゃんの声が受話器から流れた。
「いいこと、あなたのジュンちゃんはあずかったわ。返して欲しくば、武
道館に来なさい」
「なんてひどいことを」あっこさんは受話器に叫んだ。
「ほっほっほ、ブツ」アッコちゃんの高笑いとともに電話が切れた。
あっこさんの全身は怒りに燃えた。
「許せないわ」
武道館の前。
ジュンちゃんが、アスファルトの上に倒れている。どうしたのか、ぴくり
ともしない。
そこへあっこさんが駆け寄ってきた。
「ジュンちゃん! 大丈夫!?」
弱々しく、ジュンちゃんが腕を動かした。
あっこさんはジュンちゃんを抱き起こした。
「愛してるよ、あっこ」ジュンちゃんが弱々しく言った。
「秘密のアッコちゃんはどこに行ったの?」あっこさんは言いました。
「それより、はやく助けてくれ」
「しょうがないわね」あっこさんは、ジュンちゃんに肩を貸して歩き出そ
うとしたが……。
「どうしたんだい?」ジュンちゃんが言った
「あなた、ジュンちゃんじゃない」あっこさんは、ジュンちゃんを地面に
投げ出すと、叫んだ。「あなた、アッコちゃんね!?」
ジュンちゃんの体がぼわんとはじけて、秘密のアッコちゃんの姿になった。
「くそう、見破られてしまったわ」アッコちゃんは言った。「完ぺきな変
身だったはずなのに。どうして分かったの!?」
「だって、あたしたち夫婦だから、その」あっこさんは恥ずかしそうに言っ
た。「服を着ていると見えないところも、その、知ってるんですもの」
「ああん、夫婦のきずなに負けてしまったわ」アッコちゃんは泣き伏した。
「アッコちゃん……」
あっこさんが近づこうとすると、アッコちゃんはがばっと立ち上がって言っ
た。
「憶えてらっしゃい! 来週こそはあなたを倒してみせるわ!」
そして、東の空の彼方に飛んで行った。
「ジュンちゃんをどこにやったのよ!」あっこさんは叫んだ。
レフリー「第2ラウンドもあっこさんの勝ち! 新婚夫婦のきずなは何よ
りも強し」
おわり