「Proud of YAMATOを見ていて、あっと思った」
「なんで?」
「この本には航路図が2つ掲載されている。ヤマト1974のときと、新たなる旅立ちだ」
「うん」
「そのいずれも、ガミラスイスカンダルを第8惑星として描いてある」
「第1じゃないのだね」
「そうだ。第1と第8の2つの記述があって悩んでいたが、細かく描かれた航路図を見ると明確に8番目の軌道であることが分かる」
「これで明快にクリアだね」
「と思うだろ?」
「えっ?」
「実は更に調査した」
「おいおい」
「実は第1シリーズ限定で内容の異なる絵が(少なくとも)3枚あることが分かった」
「まさか!」
「うち2枚は酷似しすぎているのだが、ガミラスイスカンダルが第1か第8かの違いがある。これは後から第1を第8に修正した疑いがある」
「説明してくれ」
「簡単な調査結果で浮上したのは以下の通り」
- Proud of YAMATO掲載の航路図 (001-018,019 ガミラスイスカンダルは第8惑星)
- 第1作劇場パンフ掲載の航路図 (ガミラスイスカンダルは第7惑星)
- 大クロニクル掲載の初期企画書の航路図 (p12,17 ガミラスイスカンダルは第1惑星)
- 最初のロマンアルバムのスターシャ裏面の航路図 (ガミラスイスカンダルは第8惑星)
- シナリオでは第8と明言 (フィルムも同じ)
「このうち、1と4は同じものと思われる。厳密には文字部分だけ起こし直して絵の部分は同じと思われる」
「それで?」
「しかし、2は絵そのものが別物だ。別に描かれたものと思われる」
「3は?」
「実は3は1とそっくりなのだ。ガミラスイスカンダルの扱いを除けばそっくりなのだ」
「そっくりに似せて描いた?」
「いや。そこで1つの事実に気付いた」
「なんだい?」
「3は内周がスカスカだが、1はぎちぎちなのだ」
「まさか」
「実は3に加筆してガミラスイスカンダルの内周に7本の軌道を追加して第1から第8に強引に変えたのが実は1の正体なのではないかと」
「がびーん」
「わざわざ変えた理由は、おそらくシナリオで第8と明言してしまったからなのだろう」
「設定無視のヤマトではなく、設定の整合性に気を遣っていたってことだね」
「問題は2の扱いだが、これは絵そのものが別物なので、どういういきさつで出てきたのか分からない」
オマケ §
「戦艦スターシャがさりげなくハイパーウェポン2009に乗っているのは有名だが、大クロニクルを見ていてハッとした。板橋(松本)版戦艦スターシャが、大クロニクルに載っているガルマンガミラス戦略指揮旗艦G.スターシヤなのかもしれない」
「デザインは?」
「全くの別物だよ」
「なぜ別物があるのかな?」
「企画段階で試行錯誤したのだろう。その結果、どれも上手く行かなかったのだろう」
「今なら上手くできると思う?」
「さあ。それも難しい話だな。古典的な船なら船首に女神像があっても違和感は無いが、宇宙船でそれをやるとおそらくデザインのバランスがとても難しいと思う」
オマケ2 §
「YP2012カタログ表紙の波動砲3門搭載のアンドロメダっぽい艦が分からず、隣に座った見知らぬ人と一緒に首をひねっていたのだけど、実は大クロニクルの松本宇宙戦艦集合イラストにも同じような艦が描いてあって焦った」
「松本系デザインってことだね」
「しかし、波動砲3門という手がかりでエイヤッと検索して見えてきた」
「分かったの?」
「おそらく、アンドロメダ (宇宙戦艦ヤマト)のページに記述がある『アンドロメダII』または『しゅんらん(春藍)』で良いのだろう」
「ゲームはノーマークだったね」
「『宇宙戦艦ヤマトメカニック大図鑑1』もな」
「ぎゃふん」
「しかし、それなら松本系ムックで扱える理由も分かる」
「でも、スーパーアンドロメダとは別に、アンドロメダの改良デザインがあるとはね」
「そこも盲点だったな」
「特にアンドロメダより主力戦艦が好きな君にはね」