「今は艦これが流行っていて、美少女軍艦ものは凡庸な流行もののように見えるが、これが書かれた当時は全く状況が違うのだよ」
「それってどういう意味?」
「本屋にね。架空戦記というジャンルの小説が山のようにあった時代。流行っていたんだ。しかしね。実在の人物をいじって歴史を改変するという関係上、登場人物はほとんど男だった」
「それで?」
「おかしな話を書くならこれぐらいぶっ飛んでくれよ、という意味を込めて太平洋戦争に女だけの女子海軍が参戦する話を書いたわけだ。はっはっは」
「つまりなに?」
「ナンセンスな話だけを書いた。真面目な話は一切ない。こうすれば日本はアメリカに勝てた、という話は無い。烈風も震電も出てこない。富嶽も出てこない。超大和級どころか、大和武蔵すら出てこない」
「では、2013年の今これを再刊する意図は?」
「艦これブームに便乗して売れればいいな」
「赤裸々な」
「じゃあ、もっと真面目っぽいことを言おうか?」
「それはなんだい?」
「ナンセンス軍艦ものの上限はこのへん。その先は行ったらあかん、という上限の提示かな」
「行くとどうなるわけ?」
「さあ、どうなるんだろうね」
「何か知ってるのか?」
「自分の目で確かめろよ」