「どうも100式豆戦車のジオラマは失敗したっぽいので、改修した」
「どこが失敗したんだい?」
「ガンダムの長い大砲を用意したのだが上手い置く場所が無くて、つい戦車の上に取り付けたら無駄に格好良くなってしまった。これは意図した演出意図を逆転させてしまうほど酷かったので、除去した。今回は地面に置いてある」
「他には?」
「全体的な配置を修正している。具体的には発泡スチロールの丘をカットして、自動歩兵のフィギュアの位置を修正。後方の小さいフィギュアが遠近法に見えるように。それからドーザーの前に自動歩兵の残骸を配置。もう1つ、戦車のハッチの上に、SD100式の頭部を装着。それで戦車らしいシルエットはかなり打ち消せたはずだ。戦車の金色も塗り直して、もっと鮮やかな金色に見えるようにした。戦場にありえないおかしな色になったはずだ」
「気持ち悪いよ」
「それが演出意図だ」
「何を描きたいわけ?」
「今のまま進むと、自衛隊はこうなるという未来予測」
「それはなに?」
「兵器の無人化が進む。戦車は無人戦車。歩兵はロボット。しかも、オタク文化が大幅流入。でも戦場は変化しないから、醜悪な光景が展開される」
「こんな未来が来ると本気で信じているの?」
「信じていない。この光景はあくまで【今のまま進むと】なのだ。実際には今のまま2040年頃まで進むことはあり得ないだろう。ただし、良くなるか悪くなるかは知らない」
「じゃあ、なんで醜悪になるの?」
「オタクというのは、萌えキャラが兵器に描いてあれば敵は撃てないに違いないなどと言い出す人種だからな。その文化が自衛隊に侵食していて、世代交代するともっと悪化するだろう。現実とアニメを区別できなくなったら自衛隊はこうなるだろうさ」
「でも、そうなるとは思っていないわけだね?」
「そうだ、思っていない」
「なんで?」
「今のままの日本は2040年頃まで維持できない。どこかで国家の体質が大きく変化するだろう。まあその時まで国家が残っていればの話だがね」
「残っていないという予測なの?」
「まあ、2040年ぐらいならまだ残っているだろう。もっと先だと予測はできない」
「ひ~」