「ともかく、星永遠がアンサーソングだと思う人もいるが、思っていない人もいると分かったので、歌詞だけでもアンサーソングを試作してみよう」
「でもさ。愛が虚構ならアンサーソングは成立し得ないのだろう?」
「その通りだ。しかし、地球で待つ女の【虚構の愛】を扱った歌なら成立しうる。それは真っ赤なスカーフの対極に位置しうるものだ」
「では何を前提に作る?」
- ヤマトの出発を見送った女性の視点である
- 虚構の愛をテーマにする
- 同年齢なら男よりも女の方が少しだけ大人である。少しだけ現実を分かっているものとする
- ヤマトの成功はあまり信用されていない前提を取る (従って、失敗した場合の仮定の話が含まれる)
- 暗に旅立つ古代と見送る古代ファンを想定する。「古代君の愛は私だけのものよ!」という古代ファンの心情を歌う
- 希望を偽装しながら滅びを待つ歌である
「もう1つ、オマケで、これを入れた」
- 作詩の阿久悠つながりで、ピンクレディーのUFOテイストを入れる (宇宙人女に彼氏を盗られることを怖れる部分。宇宙人の彼氏を彼女に置き換えた)
「そうか。実際に古代の兄は宇宙人女に盗られちゃったわけだね」
「そう。しかも、ヤマトよ永遠にでは、宇宙人のハーフの女に実際に盗られかけた。この危機感には説得力がある。そこで取り込んでみた」
「では完成品を見せてくれ」
「一気に書き飛ばしたいい加減な試作品だ」
「まだまだ未熟で整理できる場所は多いのだね?」
真っ赤なスカーフのアンサーソング【真っ赤な矢印】 §
あいつが身に付けた真っ赤な矢印
学校で一番のハンサム野郎
旅立つ間際に見せた白い歯
あれは絶対私のため
みんな一緒に見送ったけど
あれは絶対私のため
夢だって分かってる
子供じゃないの
でも辛い日々を送る今だけは
破れるまでは夢を見させて
必ず帰ってきて真っ赤な矢印
必ず救って緑の地球
勝利の凱旋見せる白い歯
必ず絶対できるわ
未来予測は赤信号でも
必ず絶対できるわ
ちゃんと知ってる成功確率
子供じゃないの
でも辛い日々を送る今だけは
帰ってくる日を夢見させて
たとえ地球が滅びる日が来ても
宇宙人女と駈け落ちしないで
私が死んでしまっても
私だけのあなたでいて
夢だって分かってる
子供じゃないの
でも辛い日々を送る今だけは
破れるまでは夢を見させて