「女性向けのデスラーのホモ同人誌を1冊通販で買ったのだがね」
「うん」
「実はホモ要素を除外しても面白かった」
「どこが?」
「いくつかあるヤマト1974のガミラス側人間関係のおかしさがすっきりと解釈できたのだ」
「おかしい人間関係って何?」
- デスラーがバラン基地のゲールをすっ飛ばして冥王星基地に連絡を取り過ぎる
- デスラーはドメルに優しすぎるが、文句を言うときは手厳しい
- ドメルの態度がゲールに厳しすぎる
- 本土決戦以降のデスラーの性格が壊れすぎている
「一部は、ヤマト2199で解消しようとしていたね」
「でも、あまり上手くやれていなかった。最終的にゲールはドメルの副官ですら無くなっていく」
「なるほど」
「では、どう解釈すればいいのか」
「ポイントはどこなの?」
「おそらくここ。この同人誌【贄】の解釈を元にするとね」
- この3人には、もともと私的な接点がある
- デスラーとドメルには何かの深い関係がある
- ゲールには2人対する負い目がある
「するとどうなるの?」
「デスラーもドメルもゲールに冷たく振る舞う行為の理由が出現する」
「それから?」
「命令系統を飛ばしてゲールが直接デスラーにご注進するという行為が可能になる。軍の命令系統からすれば、ゲールがドメルを飛ばして直接デスラーに連絡するのは無理があるのだが、過去の知り合いとして【私的なお話しがある】と言えば話しは変わる。プライベートな話になれば、軍の命令系統はすぐに無意味になる」
「なるほど」
「そして、ここが大きなポイントだが、この同人誌ではデスラーとドメルは何かの大きな野望のために、お互いに政治と軍事の世界でのし上がろうとしていた。2人は盟友なのだ。建前上の立場はデスラーが上でドメルが下であり、ドメルはデスラーの命令に従うことになっているが、実はドメルはデスラーの命令しか聞きたくないし、デスラーはドメルに対する決定権を他人に委ねたくはない。だからドメルに対する評決はデスラーによって握りつぶされる。そもそもデスラーはドメルしか信用していない」
「分かったぞ。だからドメルの死はデスラーを狂わせるのか」
「そうだ。実は七色星団までのデスラーはまだしもガミラス民族を存続させることに意欲を示していた。デスラー総統地球への移住計画もその1つだ。ところが、ガミラス本土の最終決戦になると、民族の未来よりも勝利が優先されてくる」
「最初からその気だったのではないの?」
「それも1つの解釈だがね。別の解釈はやはりあそこでデスラーは狂ったというものだろう」
「そうか、ドメルの死はショックか」
「ドメル戦死の報告を聞いたデスラーのシーンがアニメにあれば、もっと分かりやすかったと思う」
そうすると §
「ドメルを失った心の痛手を癒したのはズォーダー大帝ということになる」
「えー」
「しかし、卑劣な恋敵の陰謀で引き離され、その上大帝も死んだ」
「そうだね」
「そうなるとデスラーに残された想う相手はもうスターシャしかいない」
「なるほど」
「でもすぐスターシャも死ぬ」
「がーん」
「そのあとはもう、古代しかいない」
「自分の帝国が滅んだというのに、古代のピンチに旧式デスラー艦で乗り込んでくるわけだね」
オマケ §
「デスラーはドメルに優しすぎるが、文句を言うときは手厳しいっていうのは?」
「それは親しい相手に取る態度。多少厳しいことを言っても信頼関係が壊れない自信がある時に取る態度」
「つまり、単なるお気に入りの部下ではなく、プライベートな盟友ってことだね」
「でも、ドメルにはショックだった」
「相手に甘えて良い水準の読み違いだね」