「アンドロメダの話から派生して気づいたことが1つある」
「それはなんだい?」
「ヤマトが飛んでいる限り、大きな問題は起きない。ヤマトファンでヤマトを否定する人はまずいないからだ。どう肯定するのかは違っても、ヤマトの完全否定はほとんどあり得ない」
「うん」
「でもアンドロメダは別だ。アンドロメダは肯定されるとは限らない」
「それでもいいの?」
「アンドロメダを求める客がいて、それを提供する誰かがいるのなら、それは話が噛み合っている。別に問題は無い。ヤマトファンの全員が客になるとは限らないというだけだ」
「君自身は客にならないわけだね」
「だが問題はその先だ」
「というと?」
「そもそも、ヤマトファンは宇宙戦艦ヤマトを肯定していると言い切って良いのだろうか」
「は?」
「つまりだね。沖田や古代というキャラのファン、あるいは物語のファンがいて、宇宙船としての宇宙戦艦ヤマトは別に好きでもないという人もいるかもしれない。というか、いるだろう」
「なんでそこまで言うの?」
「女性の古代ファンは超巨大勢力だからだ」
「ひぃ~」
「ならば、ヤマトファンに共通項は存在するのだろうか」
「ファン向けイベントが成立しない?」
「いや。いろいろ用意していろいろやっていればどれかはヒットする。イベントは可能だろう。でも、厳密な意味での共通項が無いのかもしれない」
「アンドロメダどころの騒ぎではないわけだね」
「問題はこの先どうするのかってことだ」
「君はどう思う?」
「何もアイデアは無いよ」
「なんで?」
「考えていないからだ」
「なぜ考えない?」
「全て他人の問題だ。ヤマトで金儲けをしようとする人達との温度差はかなり大きく、供給側も需要側もどちらも他人。他人と他人が上手くやってくれればそれでいい話。おいらが何を言ったところで意味をなさない。当事者ではないからだ」
「では君の居場所は?」
「やはり1960年代前後の映画。特に東宝クレージー映画」
「ヤマト否定?」
「とんでもない。高確率で宮川泰の名前を見られるからさ」
「なんてクレイジーな奴だ」