「また見つけた沖田艦の問題」
「それはなに?」
「ブリッジの外部設定の形状と内部設定の形状が一致しない」
「それは、第1艦橋の大きさが矛盾する問題みたいなものか?」
「あっちはサイズ。こっちは形状」
「なるほど」
「内部設定準拠でブリッジの形を決定したのがヤマト2199のキリシマと思われるが、結果として似ていない沖田艦になってしまった」
「それは不満ということだね」
「結局、あまり沖田艦らしくないからね」
「話はこれでおしまい?」
「いいや。ここからが重要」
「というと?」
「沖田艦は最後まで細かい変更が行われていて、特にブリッジに変更が集中していたと思われる」
「だからなんだ?」
「外部設定と内部設定は、別の形状を前提に描かれている。デザイン変更が繰り返されている時に、同時並行で設定の作成が走っていて、前提が違うタイミングで描かれた画稿がそれぞれ決定稿になっているのではないか」
「そんなことってあるのかい?」
「沖田艦に関しては、実際の作画にも混乱が見られるし、設定もぎりぎりだったのだろうと思う」
「矛盾を分かっている人がもしかしたらいたかもしれないが、すりあわせている時間はなかったわけだね」
オマケ §
「沖田艦のブリッジだが」
「うん」
「どうも本来は戦車の感覚でデザインされたものではなかったのだろうか」
「その心は?」
「指揮官は回転する砲塔から身体を乗り出す感じでそこに指揮官がいる。しかし、正面に窓が無い。あっても小さい窓」
「1974年時点の松本零士に、艦船を描く感覚は希薄であろう……ということだね」
「だから古代艦は航空機に近いが、沖田艦は多砲塔戦車に近いのかもしれない」
「戦車ならいちばん高いところにブリッジでは無く砲塔があるのが自然なのだね」
「そこに船の常識を積み上げると艦橋砲になってしまう」