「今回も構成が面白い」
「どこが面白いの?」
「実は今回、刀太とキリヱの気持ちは最初から最後まですれ違ったままなのだ。キリヱは刀太が何を悩んでいるか知らないが、刀太はキリヱを今日はなぜか可愛いとしか認識していない」
「それで?」
「それは頭を撫でるという行為に結びつくが、それは結論とは言えない。それはスキンシップではあるが、刀太の結論でもキリヱの結論でもないからだ」
「じゃあ何が結論なの?」
「キスでオンオフする時間停止に何かの意味があるらしい、という最後のコマに至って、刀太が望んだものを意図せずしてキリヱが与えたことを示す。そのような意味で、今回の物語はそこで終わるが、具体的にそれが何かを開示しないことで次回への引きとなっている」
しかしまあ §
「しかし、登場当初は刀太の顔を蹴り上げていたキリヱが可愛くなったものだ。女たらし刀太のまわりには女が多いが、その中でも刀太の心に最接近しているのがキリヱとも言えるな。これはネギま!において、最接近したのが長谷川千雨であることにも符合する」
「それはキリヱの精神年齢が高いということかい?」
「そうだな。既に夢を見る年齢ではない。が、夢を見てしまった。そこがポイント」