「これはビックリした」
「なんで?」
「面白い映画である。そこは文句の付けようがない」
「じゃあ、いいじゃないか」
「問題はその先。明らかにイノセンスの影響を受けている。攻殻機動隊の映画もちょっと入っている」
「えー」
「2010年の映画なので、2004年のイノセンスの影響を受けていると言えるだろう」
「まさか」
「世界のオシイだからな。攻殻機動隊は日本国外で評価が大きかった作品とも言えるし。影響はあるだろう」
「たとえば?」
「常識人の新米と型破りなベテランのコンビはバトーとトグサそっくり。しかも、早々に人形が大量に出てくる。イノセンスに対して、【あれはガイノイドなのだ】と言ってる想像力のないオタクには分からないが、イノセンスのあれは球体関節人形がベースなのだよ。つまり人形。クライマックスでも、ヒロインがいるはずの場所に人形」
「なんてこった。遠くフランスまで行って押井守に戻るのか」
「つまり。この映画は2度美味しい。シンプルに面白い映画であると同時に、イノセンスの影響を見ることでもう1つ面白い」
「かなりお得じゃないか」
それはさおてき §
「最近ACE COMBAT INFINITYにパリのミッションが増えたので、よくパリ上空を飛ぶけどね。エッフェル塔が出てくる映画を見ると妙な気になる」
「どうして?」
「エッフェル塔の上空で空戦したり対地攻撃したりするのは日常だ。どこか遠い世界という気がしない」
「なんてこった」