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2016年05月15日
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続・感想・映画「罪の余白」

Written By: トーノZERO連絡先

「この映画には感想の続きを書く価値があるということ?」

「いや、むしろ感想を書く価値が無いということに気づいた」

「というと?」

「この映画は特異なのではなく、未熟なのでもなく、むしろオタク向け作品の基本パターンをなぞったものに過ぎないのではないかと気づいた」

「というと?」

「1つの典型パターンはこうなる」

  • 高校生ぐらいの子供が大人を偽装して万能でありすぎる
  • 大人が過剰に無能すぎる (大人の不在)
  • ハーレム型である (多ヒロイン)
  • 少なくとも精神は挫折しない (若者は)

「明らかに主犯は万能でありすぎるし、大人が誰も演技に気づかないというのも大人が無能すぎるね。でもハーレム型は?」

「実はこの映画には支援者の女と主犯の少女の2人がヒロインと呼びうる存在で、どちらが主とも言えない」

「なるほど……」

「そして、この主犯は刑務所か少年院か知らないが、そこに入っても心が折れたようには見えない」

「精神は挫折しないわけだね」

「そして、露骨なハーレムを狙わないハードな路線を目指すと、もう更に条件が出てくる」

  • 理屈で追い詰めるのでは無く、恐怖感で追い詰める (キャラ描写がもともとおかしい場合、理屈では追い詰められない。本能的な恐怖で受け手を追い詰める)
  • 精神的な問題よりも肉体の損傷で描く

「周囲のあらゆる者達が理解を示さないのは、恐怖で追い詰めるための演出だってことだね」

「そうだ。おまえの気持ちは分かるとは誰も言わない。ひたすら主人公は孤立していく。でもそれは本当ならおかしい。本当に周囲の誰一人理解できないような状況だとすれば、当人の思い込みが間違っている可能性の方が高い」

「でも、恐怖感が得られるならいいんじゃないの?」

「いや。不自然さが先に立って感情移入できなくなるという負の側面がある」

「なんてこった!」

「社会経験が乏しい精神の子供であるオタクはそれでもいいのよ。不自然さをそれほど感じないから」

「自分で自分の世界を正当化してしまうから、正当化可能な世界が描かれていればいい訳だね」

「そうだ。それが大人は無能でオレは有能という世界観だ。いくら演技力優秀でもたかだ小娘一人を追い詰めるために自分の命を賭けるのはチップとして高すぎるがね。この世界観ではそれが正当化される。若い自分にはそれだけの高いチップを賭ける値打ちがあると信じられているのだよ。だから、その基本原則を守る限り、オタクに対してはまず破綻しない」

「破綻しないからパターンとして成立するわけだね」

「おそらくな」

「精神的な問題よりも肉体の損傷で描くってなに?」

「主人公の精神の孤立は感情移入できない。恐怖感は共感できるが、理屈は共感できない。だから、精神的なものを表現しても、それでインパクトを与えられない。どうしても、身体の損傷が主たる手段として浮上する」

「つまり、ベランダからの落下や松葉杖だね」

「そう。ベランダで失禁する少女も、軽度な肉体の損傷の表現」

「身体の正当な機能性の一部が失われている状態なのだね」

「そこまで含めて、実はオタク向け作品のオーソドックスなトレースになっていると思う」

「じゃあ結論は?」

「オタク向けアニメがあまりにもつまらないので、アニメに見切りを付けて映画を主に見るようになった立場からすれば、これはつまらん傾向の映画だね」

「オタク向け作品を原作にしちゃいけない?」

「そうとも言い切れない。オール・ユー・ニード・イズ・キルは面白かったよ。そこは毒の抜き方次第だろう」

「まとめてよ」

「表情やドラマでインパクトを与えられないので、赤い血を見せる。というのがオタク的な表現の一つの類型だろうと思うのだがね。結局、この映画もまんまその類型通り。心理描写は共感ではなく圧迫を主目的にしたもので、やり場の無い感情を高めることはできてもそれを解放することができない。しかも退屈だ」

「解放は肉体の損壊を経由するしかないわけだね」

オマケ §

「しかし思い出すなあ」

「何を思い出すのだい?」

「エヴァンゲリオンの最初に負傷して眼帯を付けた綾波が出てくるのだが、オタクはこれに興奮した。でもおいらには何が良いのか分からなかった。眼帯少女はオタクの【萌え】の1パターンらしいが、おいらには何が良いのかさっぱり分からなかった」

「自分の趣味じゃないだけじゃないの?」

「いや、他人の肉体を損傷させるマニアの存在は分かる。しかし、作中にそんなマニアが登場するわけでもなく、視聴者のために行われているとすれば、そんなマニアがマスとして存在することになる。それはちょっとおいらの理解を超える」

「それは何を意味するんだい?」

「オタクにとって【それは本当に君たちがなりたかったものなのか】と冷静に自分を見つめ直して欲しいと思うね」

「で、見つめ直すと思う?」

「思わない。ありのままの自分はオタクが最も見ないものだ。彼らの世界観から抹消されている」

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