「Windows 10にアップグレードしますか、というウィンドウが出ていてバスの時刻表の表示を邪魔していると揶揄する話題がネットに出ているがね」
「それで?」
「最初にそれを見た時は、担当者が【自称プロ】か、それとも【予算が無い】のだろうと思った。しかし、Winodws 10の悪行としてネットを広まっていくと【ちょっと待てよ】と思ってしまう」
「なぜ?」
「関係ない情報が出る問題というのは昔から何度もいろいろなものがあって、Windows 10とは直接関係ないどころか、Windowsにすら限定されない。こういうものは出さないようにシステムを構築して運用し、何かあればすぐに消すのもシステム管理者の仕事だろう」
「つまり、それを出さないような運用。出てもすぐに消す運用が必要なのに、それができていないってことだね?」
「そう。この問題は、ひたすら運用の問題であるにも関わらず、たまたま出てしまった画面がWindows 10関係であるために話が妙にねじ曲がってWindows 10非難のトンデモに結びついて変な形で燃え上がってしまった」
「それは結局なんなのだい?」
「人々はすっかり迷信を信じ込むようになった。もともと、【ググれ】という言葉があるが、ググったって本当のことが分かる保証は無いよ……という話がTwitter検索ならまともだという勘違いに結びついて、結果として迷信がはびこるようになったのかもね。ググれば一発で分かるようなトンデモだろうと、それがはびこっていく」
「【せめてググろうよ】と言いたいわけだね」
「そうだ。せめてググろう。迷信のカオスに落ちる可能性をかなり減らせる」
「Windows 10の問題も同じだね」
「Windows 10にアップグレードすると不都合がある顧客もいるのだから、しないオプションは最初から存在しているのに【何がなんでも強制的にアップグレードさせようとしている】と思い込んで、その思い込みだけが無限に拡大しているのが現状だろう。どこかで誰かが冷静になって【おまえら馬鹿じゃね?】【なんで5分調べるだけで迷信と分かるインチキを信じてるの?】と思ったところで、世の中の巨大な渦からはもう逃れられない」
「でもさ。Windows 10を叩いた直後に別のトンデモを【これがトンデモだ】と言って叩くのはなんなの?」
「要するに叩きたいだけなんだよ。常に何かを叩いて叩く側にいたいだけ。叩ければ何でもいいんだよ」
「正義の味方の振りをしたいじめか!」
「昔の人はそれを【魔女狩り】と呼んだのだがね」