「久々にワンフェスに行ったので感想を言うぞ」
「いつも行かないのに、なぜ行ったの?」
「うーん、小林誠さんの顔を見に」
「サイン会じゃないの?」
「実はサインは重要じゃない。サインだけなら何回ももらったことがあるので」
「それだけ?」
「一晩ででっち上げたインチキ【しまかぜ2202】と【ゆうなぎ2202】を記念に進呈しようと思ったら荷物が多いからだめだと言われて、後日ということにした」
「サイン会はどうだった?」
「いつまでも列が短くならない。予想以上の人気だ。その場で税込み4000円を超える本を買わないと整理券がもらえないのに、それでも列が消えない。真剣にお仕事をしている小林さんの邪魔をしてもいけないから、こっちはAyahttさんを東京駅までお見送りして帰ってしまったのだけどね」
「他に何か」
「いろいろな人に会えたし、Karaponさんのヤマトパイロットスーツコスプレも見られたし、まあそれなりの手応えはあったな」
「イベントそのものはどうだった?」
「ワンフェスって昔はもっと猥雑で混沌としているのが良かったと思うのだがね。今はそれが足りないと思った。イマイチ盛り上がらないのは、型にはまった表現や、惰性で続く同じようなネタの数々に負うところが大きいと感じた。知ってるディーラーももう出てないしね」
「個人的な感想としては?」
「ハセガワがブースを出しているといってもキャラクターモデルばかり。たまに【あ、ドラケンだ】と思ってもエリア88で結局キャラクターモデル。これはアオシマに行っても同じ。あ、軍艦の模型……と思ったら何か知らないアニメの名前が書いてあった。今はもう、そういうイベントなんだろう。いくつかの会社は出てすらいない」
「つまり、君がわざわざ遙か遠く幕張まで行くイベントじゃないってことだね」
「そうだな。こっちはハセガワの最新製品のE-2Cのスペシャルマーキング機を作っている途中で、それが模型の【最新】なんだがね。そのものずばりの模型どころか、そのジャンルすらあるのかどうか分からないぐらい希薄なのではね」
「本当に小林誠さんの顔を見る以外の意義が希薄なのだね」