「おお、これを言い忘れていた」
「発売日に11巻は買ってるぜ! と言いたいわけだね」
「発売日に読み終わってはいないけどな」
「どこが見どころだと思う?」
「無自覚な女たらしの血族の覚醒。ひらすら困惑していく夏凛やキリヱ。そして、圧倒的に強力な後ろ盾として君臨するザジ。ネギま!でエヴァが担っていた【圧倒的強者の後ろ盾】という機能性を今回はザジが担っている感じだ」
「ひぇ~」
「そして、女たらしを続けながらエヴァに呼ばれるとホイホイ付いていく刀太」
「ひぇ~」
「教室の再会のシーンは、時の流れが刻んだネギのクラスの残酷な変化を描いている。変化したもの、しないもの、代替わりした者、老いた者。あのネギのクラスはあくまで一瞬だけあった夢の世界。僅か待つ間に時は残酷に全てを変化させる。ネギの立った教室に足を踏み入れた刀太は、ネギと同じ立場に立つことはできない」
「結局、どこが違うんだい?」
「ネギま!の骨格は、要するに子供が先生になるという点にあるのだが、UQ Holderの世界観はそこまでの社会ルールの逸脱を許さない。もっとシビアな世界観なのだ。だから刀太が先生になる可能性はなく、何の努力もなく美少女に囲まれる可能性も無く、一人一人口説いて自分に身近な存在にしていくしかない。若い女の子にも限定されない」
「で、この11巻は面白いの?」
「他の電子書籍のダウンロード中に気がついて読み返したら面白かった」