「戦隊とセットで見たわけだね?」
「そうだ」
「内容はどうだった?」
「難点もあるが面白かった」
「戦隊とどっちが良かった?」
「残念ながら、思い切りよくジュウオウイーグル一人に焦点を当てた戦隊映画の方が、タケル殿だけに焦点を絞りきれなかったライダー映画よりも内容が素直に頭に入って楽しかった」
「なぜタケルはタケル殿なの?」
「拙僧に聞くな」
「それで、どこが良かった?」
「死んだ英雄達が住んでいる場所が面白い。ベートーベンやバッハやその他の歴史上有名な音楽家が集まってロックバンドやってるのは、馬鹿馬鹿しくて嘘くさいけど、発想がぶっとんでいて面白かった」
「嘘くさい描写はNGじゃないの?」
「映画は面白ければOKなんだよ。ゴの付く映画も【突っ込みどころはあるけれど面白いから見て下さい】と言えば角は立たなかった。でも、マニアが【凄い凄いともかく凄い全部凄い】としか言わないので、実際に見ると【これだけ突っ込みどころがあって全部凄いは無いだろう】と白けてしまう」
「じゃあさ。他には?」
「タケルと戦った記憶を持っていない過去の英雄達が、自分から共闘を申し出てくれるところ。特にヒミコ対一休さん」
「ふーん」
「ちなみに、序盤のロケ地は新宿副都心かなあ。古い建物が最初に出てくるところは江戸東京たてもの園かね。古い建物は他の場所も使ってると思うが」
「で、結局この映画の最大の長所はどこ?」
「馬鹿馬鹿しいし、あり得ないのだけどね。そこを無理にリアルに仕上げようとしなかったところじゃないかな。無理矢理史実と辻褄を合わせようとしていない。あと生身の顔を出したまま戦っている者達が多かったこと。やはり、武器を持った程度の一般人がそのまま戦いの場にいるとスリリングだ」
「じゃあ難点は?」
「やはり登場人物が多すぎる。味方側の主要ライダーだけで三人いて、それぞれがドラマを背負っている。それを描くには時間が不足しすぎている」
エグゼイド §
「顔見せ出演のエグゼイド。意外と気に入った」
「どこが良かった?」
「腰にカセットを刺すときにフッと息を吹くところ。ファミコン世代だよ」
「そんなところかよ」
「TV放送になると顔見せ時から変わってしまうこともあるけど、この【フッ】は是非残して欲しいね」