2016年11月29日
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ヤマト1974第2話の戦艦大和目撃シーンを再検討する

Written By: トーノZERO連絡先

「さて、2016年にもなって、ヤマト1974第2話に戻ろうとは思わなかった」

「ヤマト2199で存在そのものが100%消された戦艦大和のシーンだね」

「そうだ。その中でも特に【父ちゃん、発動機の音が】の部分だ」

「君のこれまでの解釈を説明してくれ」

「艦隊が航空攻撃を受ける描写の直前なので、時系列的に連続しているのかと思っていた。航空攻撃を受ける当日の朝の朝靄の時間帯に、一般の漁師が大和に遭遇したのかと思っていた」

「そうすると違和感があるのだね?」

「そうだ。軍艦に関係する技術職でもない一般人が大和を知っている可能性はそれほど高くないし、まして【ニッポンの男の船だ】と思い入れのある発言をするほど親しんでいる可能性は考えにくい」

「戦後の戦記ブームを経て大和の知名度が上がったあとなら日本全国どこにでも大和に思い入れのある大和おじさんがいるが、戦中は違うわけだね」

「そうだ。そこまでの思い入れを持った人はあまり多くなかろう」

「それで、なぜ再考をする必要を感じたの?」

「もしも、あれが九州沖の外洋ではなく、呉付近の瀬戸内海だったとしたら話が変わってくる」

「つまり、航空攻撃を受けた日の朝ではない……と考えるわけだね」

「そうだ」

「ではいつのことだと思う?」

「シナリオを読むと、大和出撃と書いてある。では大和が出撃した場所と時間はどこかといえば、徳山沖から1945年4月6日15時20分」

「それで?」

「瀬戸内海では、春に15時頃に霧が出ることもあるようだ」

「そもそも、徳山沖ってどこだい?」

「この場合の徳山沖は、現在の山口県の周南市らしい。ここは四国より九州の方が近いぐらいの山口県で、呉から遠いわけでもない」

「なぜそこにいた?」

「燃料をそこで補給したらしい」

「では、徳山沖と想定するとどうなるのさ」

  • 外洋に出られるとは思えない小舟で大和に遭遇する描写に整合性が与えられる
  • 霧の中で移動なら小舟を見落としても無理とまでは言えない
  • 小舟を発見した場合、外洋ならすぐに大和の近くから追い出されるはずだが、瀬戸内海ならまだ警戒が緩いかもしれない
  • 呉付近の住人なら戦艦大和を知っていて、しかもその意義も理解している可能性がある。何しろ、大和は呉で建造されてかなりの期間、呉に浮かんでいたのだ。本人か親族が海軍に関わる可能性もあるし、関係者の話を聞くこともあるだろう
  • 父親は知っているのに子供は知らない、ということも十分にあり得る。おそらく当時の子供向け情報ソースに大和の名前は無い
  • 父親は【大和だ】と驚いている。呉なら大和がよく見られるので驚くはずがない。徳山沖で大和を見たのだから驚いていると思えば驚きに整合性が取れる。
  • 従軍経験者、戦争経験者がまだ多く残る1974年の段階で、あまりに大きなミスを描くとは考えにくい

「実際の映像はどうなんだい?」

「うむ。それはチェックした」

「結果は?」

  • 呉付近の瀬戸内海であれば、快晴なら対岸に島影が見えるはずである。しかし、霧が掛かってうやむやである
  • 霧の向こうにうっすらと島影らしいものが見えないこともない。(ただの霧のムラに過ぎないかもしれないが)
  • 航空攻撃のシーンとは連続しているが、気象が全く違っていて時系列の連続性は見出せない。連続の出来事ではないかもしれない

「つまり、否定はできないわけだね」

「むしろ、その方が整合する」

「呉から徳山への距離は?」

「直線で約80kmぐらい。大ざっぱに言うと東京箱根間ぐらいなので、関係者がいてもおかしくない距離」

残された課題 §

「この問題には大きな宿題が残った」

「それはなんだい?」

「ネットを軽く検索した限りでは、坊ノ岬沖海戦について詳細に書いてあるページは多いのだが、徳山沖出撃よりも前も行動を細かく書いているページが無かった。非常に残念だ」

「爆弾が何発当たったのかなんてことは、どうせ戦場では誤認が多くて当てにならないのに、そういう記述ばかり詳しいページばかりで辟易したってことだね」

「本当は戦闘の準備段階で勝敗のほとんどは決まってしまう。準備行動の詳細が分かる方が重要だ」

「つまり、大和の敗因は準備段階にあるわけだね」

オマケ §

「君はあそこをどう見ていた?」

「駆逐艦の、艦首の甲板が高くて艦橋あたりで低くなるシルエットに【おおっ!】と思っていた。あそこまで描くアニメは当時滅多に見たことが無かったので」

「今でも少ないよ、きっと」

「【父ちゃん発動機の音が】は違和感を持って見ていたねえ。大和の名前は戦後の戦記ブームで知れ渡ったと理解していたから」

「それは事実ではなかった?」

「実際に知らなかった人も多いだろうが、軍港の街付近なら話が違ってくる」

「南九州の名もない漁師が大和に向かって【ニッポンの男の船だ】と断言する可能性は低いが、呉付近の瀬戸内海なら別ってことだね」

「何しろ呉で作った大和だからな」

オマケ2 §

「で、この世界の片隅には見た?」

「見たぞ。感想は繰り返さない。こちらを参照で頼む【感想・映画「この世界の片隅に」【ネタバレ注意】】」

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