「ヤマトよ永遠に・ロードショー特別編集掲載のシナリオ。迎撃ミサイルを速射六速と表記している」
「連射六速じゃないの?」
「割とはっきり発音しているので「れんしゃろくそく」であることはほぼまちがいない。「そくしゃろくそく」の可能性はほとんどない」
「なら何が気になるの?」
「ならば、速射六速はどこから出てきたんだ?」
「さあ」
「実は、『速射六速』と書かれたシナリオが存在するのではないか?」
「まさか」
「速射は連射に修正されたと想定することもできる。しかし、そうなると問題は六速だ」
「六束というのは、あくまで君が推定した表記に過ぎないわけだね」
「そうだ。もしかしたら、これは六束ではなく、六速が正解だった可能性がある」
だがこっちもそうだった §
「ところが、ヤマトよ永遠に設定資料集掲載のシナリオも「速射六速」になっていた」
「どういうことだい?」
「ロードショーは集英社。ヤマトよ永遠に設定資料集は少年画報社。出版社をまたいで同じ誤記をするとは考えられない」
「じゃあ、もともと速射六速だったわけ?」
「最初から速射六速だった可能性は低いと思う。六速って、自動車のトランスミッションじゃないからさあ」
「じゃあ何だよ」
「より厳密には、出版社に渡った段階で速射六速だったのだろうと思う」
「途中で化けた?」
「ゴースターンがコースターンに化けた問題が存在することは分かっている。同じように別の何かが速射六速に化けた可能性があると思う」
「何がどう化けたと思う?」
「それは分からない。速射六速の原形と思われる表記は今のところ見つかっていない」
「推定だけでも」
「束と速は良く似ているから間違えた。という可能性はあり得る」