「豪華本掲載のシナリオは決定稿だとされるが、ヤマトよ永遠に設定資料集に掲載のシナリオも決定稿だとされている。内容には、違いがある」
「決定稿が複数あって迷う問題だね」
「更にロードショー特別編集に掲載されたシナリオもまた内容に相違がある。こちらは決定稿とはされていないがね。撮影開始時における決定稿を更に映像に即して修正したものと説明されている」
「どこまでも泥沼だね」
考察 §
「ロードショー特別編集に掲載されたシナリオは、実際の映像からのフィードバックがあると明言されているが全てではない。実は存在しない台詞が書かれている場合がある」
「それで?」
「うん。だからね。おそらく豪華本掲載のシナリオが本当の意味でのシナリオの決定稿ではないか」
「映画本編にあるのに欠落したシーンも多く、削られた台詞、変更された台詞も多い版だね」
「そうだ。それに対して、他の本に載っているシナリオは後から決定稿を改変して実際のフィルムに似せたものではないか」
「似せているだけで、改変が不徹底だから変なキメラになっているわけだね?」
「そうだ。映像として存在しない場面が明示されているだけで、対応関係が存在するシーンは無修正で通してしまっている感じだ。だから、どのシナリオを見ても加藤四郎の紹介の後に西尾の紹介の台詞が残存している」
「映像にはない西尾の紹介だね」
「そうだ。実際のカリオストロの城もあとからシナリオを作ったらしいし、こういう後付けのシナリオはあり得るのだろう」
「そう君が思った根拠はなに?」
「ヤマト1974のシナリオ集が既に後付けシナリオ感がするからさ。あれもあとから編集されたシナリオだろう」