「ヤマト2202には弱点と言えるような弱点がいっぱいあったと思う。先行上映会を見ても、とても熱狂できる内容ではなかった」
「低評価?」
「でもね。肯定できる要素があったのも事実」
「何が言いたいんだ?」
「おいらはヤマト2202を何だと思って評価していたのだろうか、と思ったのだよ」
「何?」
「さらば宇宙戦艦ヤマトを基準に見ていたのではないか。あれを2017年に蘇らせると考えた場合の水準は、破格に高い」
「違うというの?」
「うん。そうだ。実際には26話構成のテレビアニメなのだから、ヤマト2の基準で見た方が妥当だ」
「ヤマト2が基準だとどうなるわけ?」
「ヤマト2もずいぶん弱点や不満があった。それを考えると、いくらヤマト2202に弱点や不満があっても、それを理由にダメとも言い切れない」
「じゃあ、ヤマト2を基準に考えると何が違うわけ?」
「うん。まず前提として、ヤマトは凡作であっても良いと思っていた。もともと凡作が多いからね」
「それで?」
「でも、ヤマト2199は凡作以下であった。たとえば、たった30分のエピソードにイスカンダルの話と、ビーメラ星の話と、クーデターの話と、森雪の宇宙人疑惑の話が詰め込まれて何を焦点に見て良いのかよく分からなかった。あれは、物語が素人のおもちゃにされていて、よくあるつまらない話の水準にすらなっていなかった」
「それと比較すれば、ヤマト2202はずっとマシってことだね?」
「そうだ。詰め込みすぎではないし、個々のエピソードの焦点もはっきり分かる」
「で、君はどうしたい?」
「煮え切らない要素があっても、【まあスタッフにもいろいろな事情があるさ】と割り切ってスルーしよう。それよりも、作品作りに面白いこだわりがあって、旧作そっくりのカットや台詞が出てきたりする、そういう面白いと思える部分に集中して見ていこうかと」
「結局見るんだ」
「何をどの程度見るかは、気持ちの持ちようだと思う」
「つまり期待大?」
「もしかして、あれを見せてくれるのではないか、という期待感は生まれたよ」
オマケ §
「だが詳細を語るのはまだ時期尚早だ」
「肯定にせよ批判にせよ、まだタイミングではないのだね」
「待つのだ。時が来るのを」