2017年03月23日
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重油タンク、重油バーナーが外されたD51重油併燃機の見分け方!?

Written By: 川俣 晶連絡先

「徐々に分かってきた。取りあえずまだ検証は完全ではないが現状での仮説を説明する」

「重油タンク、重油バーナーなどが外されたD51が重油併燃機か判定する方法だね」

「そうだ。それをやらないとテンダーの形式を正確に確定できない可能性がある」

「それで?」

「D51の焚き口戸には動力焚き口戸装置が付いている。焚き口戸の上に付いている円筒形のパーツがそのためのシリンダーだ。ペダルを踏むと焚き口戸が開く仕掛けだ。しかし、手動で開くためのレバーが付いている。これが手動テコだ。手動テコは、左側にある手動テコ受けというパーツに引っかけて開いたまま固定できる」

「ふむふむ。それで?」

「手動テコは、焚き口戸の上の方の手前に付いている長い金属の棒だ」

「それがどうした。重油の話と関係ないぞ」

「そうではない。おそらく、この手動テコの根本の部分、石炭専用のD51は斜めになっている。しかし、重油併燃機の場合は垂直になっている」

「なぜ角度が違う?」

「おそらく重油バーナーを取り付ける空間を捻出するためだ」

「重油併燃装置を外した時に原形に戻されていないの?」

「おそらく、静態保存時の重油タンクや重油バーナーの取り外しが行われている場合にも、動力焚き口戸装置の入れ替えまではやっていないようだ」

根本が斜め例 (D51 118) §

根本が斜め例

根本が垂直の例 (D51 254) §

根本が垂直の例

感想 §

「で、この説明は正しいの?」

「知らんがな」

「えー」

「取りあえず、成田のD51 254にまた調査のために舞い戻ってしまった。この機関車はボイラー上に重油タンクがあったらしい。だからテンダーの形式に重油は関係しないので甘く見た。重油判定は重要だから、テンダーの形式とは関係なく重油併燃かどうか見抜く力が要求されている。その結果、また成田に舞い戻った」

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