「Kindle形式で買ってきて読んだ」
「どうだった?」
「連載時には分かっていなかったが、良かったことが1つある」
「それはなんだい?」
「これだけネギま!の登場人物が多く当時の姿で出てくるにも関わらず、どこにも【ネギま!】表記がなくUQ Holderで一貫していたこと。それは良かった」
「なぜ良いのだい?」
「刀太視点で物語が進行する限り、クウネルが出ようとラカンが出ようとそれはUQ Holderなのだ。物語は物語の論理で展開されるものであって、設定で進行するものではないからだ」
「つまりなんだい?」
「いくら、銀河鉄道999にハーロックが登場しようとも、銀河鉄道999は宇宙海賊キャプテン・ハーロックにはならないということさ」
「他には何か?」
「クウネル、ラカンクラスの怪物達が敵に回った恐ろしさを堪能できる上、ネギ、のどか、夕映まで怪物クラスになってしまった」
「つまり、怪物くんと怪物の家来ご一行になってしまったわけでがんすね?」
「そうざます」
「ふんがー」
「うるさーい!」
「それは怪物の意味が違います」
「あれ?」
「怪物クラスの敵を相手に、僅かな勝機だけを携えて最強だが力の足りない味方だけを頼りに戦いを仕掛けるところは見応えがあった。1つ1つ積み上げていく説得力というものだ」
「たとえば?」
「重力魔法を使うクウネルに重さが意味を持たない三太をぶつけるとか。ちゃんと見せ場を計算してキャラクターを作ってるなという気がする」
「他には?」
「やはり精神攻撃に脆い雪姫だな」
「そこはいいわけ?」
「手の内を読まれている以上、そこは弱点を突かれて当然だろう」