「ヤマト2199を他のヤマトと非常に簡潔に区別する一言を思い付いた」
「それはなんだい?」
「本気で地球を救おうとしていない」
「は?」
「古代は地球を救うことより、森雪を救うことを優先した。沖田はそれを承認した。ユリーシャもそれを望んだ。イズモ計画派は絶対に輸送できない人数の移住を推進していてそこに疑問を感じていない。古代は地球を救うたった一つのコスモリバースを積んだヤマトで派手な戦闘をやらかして全くコスモリバースを大切に扱っていない。地球よりバーガーとの友情が優先されている。更に言えばヤマトそのものがガミラスを救うために波動砲を撃ってしまう。波動砲を撃った後でガミラス人がヤマトを拿捕しようと思うなら簡単」
「要するに全体的に地球を救うよりも、好き勝手な冒険が優先されているわけだね」
「そうだ。そこがヤマト2199という作品から説得力を奪っている大いなる弱点だ」
「うん」
「ところが、これは今どきのオタクの常識で考えれば、人類滅亡の危機は【設定】に過ぎないと気づいた」
「設定だとどうなるわけ?」
「タイムリミットを設定する方便でしかなく、時が来てもゲームが負けになるだけで人類は滅亡しない。もう一度トライすることはできる」
「つまり、ヤマト2199は一種のネットゲーであるという説だね」
「そうだ。ネットゲーであれば、敵陣営とも交流があり、そこには社交性が必要とされる」
「無駄にガミラス人と仲良くするヤマト2199はそれに近いわけだね」
「そう、ネットゲーで設定上敵味方に分かれているだけなら、敵もメンタリティは同じで当たり前」
オマケ §
「で、ネットゲー感覚でヤマトを描くのが時代なのだね?」
「たぶんな」
「それはよいこと?」
「良いも悪いも今どきのスタッフはそういうものしか作れないだろう。身近に転がっているのはそういう世界だ」
「第3次世界大戦とか人類滅亡の危機ではないわけだね」
「そう。彼らのリアルな危機とは、人類滅亡ではなく家庭内不和」
「じゃあ、それで万事解決?」
「とんでもない。これはただの平和ボケ」
「北朝鮮のミサイルが飛んできたら死んでしまう緊張感は持つべきだってことだね」
オマケ2 §
「とか言っていたら、一時Twitterのトレンドに第三次世界大戦が上がってきたぞ。北朝鮮とトランプ絡みで」
「時代が相応の緊張感を回復しつつあるわけだね」
「でも、終わってしまったヤマト2199はもう変わらない」