「分かったよ。ロボットを称えたり、女とはとても言えない自称美少女を並べたり、擬人化で分かってないものを分かった気になるというこのオタク文化の破壊者の役割を期待したのに、逆に向かって進んでしまったヤマト2199に君は残念な気持ちを持っているわけだね?」
「まあ、それもそうなのだが、話はそう簡単ではない」
「えっ? まさか破壊しないで良かっと思っているとか?」
「そうじゃないな」
「じゃあ、なんだ?」
「実は、そもそも宇宙戦艦ヤマトという作品は、ヤマト1974の時から破壊者を期待したのに、破壊者にはなっていないのだよ」
「たとえば?」
「1975年3月に宇宙戦艦ヤマトの放送は終了したが、そのあとヤマトを見ていたクラスメートが興奮して凄いアニメが始まった……と言って話しかけてきた対象が宇宙の騎士テッカマンなんだよ。ロボットアニメでは無いが、人間が変身して暴れ回るアニメでな。確かに、ジャンプ台を滑走して発進する宇宙船は画期的といえばそうなのだろうが、ヤマトに比べると話のスケール感が小さかった。そしてマジンガーシリーズの放送はずっと続いているし、ヤマトは時代を破壊できなかった。そもそも、ヤマトが国民的な大ブームになったときにフォロワーをほとんど産み出さなかった。宇宙戦艦ものと言えるのは、せいぜい他にはハーロックぐらいだが、それも松本零士作品でいとこくらいの距離感」
「分かった。ヤマト2199には残念な要素があるが、かといってヤマト1974に残念な要素が無かったわけではない、ということだね」
「そうだな。けしてヤマト2199だけに問題があるとは言わない。それは言い過ぎだ」
「なるほどよく分かった」
オマケ §
「もっとも、ヤマト1974に巨大ロボットは最後まで入ってこなかった。しかし、今どきのヤマトに擬人化が悪癖が侵食してくるのは時間の問題だろうな。というか、同人レベルでは既に侵食されている。ヤマトシリーズの宇宙艦が艦これ風にキャラと合体している画像はいくつも見た」
「で、君はどうするんだい?」
「悪癖に染まったヤマトには住めない」
「それで?」
「反乱だ」
「ヤマトが謀反を起こしたって、月面基地ではどえらい騒ぎだぜ」
「そいつはいいや」
「はははは」
「いいのかよ」
オマケ2 §
「反乱していいのかよ」
「さらば宇宙戦艦ヤマトは反乱してなんぼだ」
「反乱したくない人は?」
「アンドロメダに乗ってヤマトの前に立ちはだかってくれ」
オマケ2199 §
「って話をした直後にロボになっているヤマトのファンアートを見たよ。プロが描いたものかな。世界の終わりはカウントダウン状態だ」
「私たちの星には巨大ロボを除去する除去装置があります。取りにいらっしゃい。ただし巨大ロボの母艦で取りに来たら問答無用で撃沈します」
「もはや巨大ロボの母艦になりはてた宇宙戦艦ヤマトでも取りに行けない」
「明日への希望はないのだろうか」