「昨夜はイングマール・ベルイマン監督の【野いちご】を見たのだがね。たぶん、イングマール・ベルイマン監督作品を見るのは始めて」
「それで?」
「画面に出てくるBergmanの文字がどうしても気になったのだ」
「なぜ?」
- スペース1999のビクター・バーグマンはVictor Bergman
- スウェーデンの映画監督イングマール・ベルイマンはIngmar Bergman
「カタカナで見ると分からないがBergmanの綴りが同じなのだね。世界は深いね」
「しかし、話はそこで終わらなかった」
「どうして?」
「スペース1999はイーグル宇宙船がメカっぽいメカなのでハードSF的な作品のように誤解されるがそういうわけではない。科学的正確さとしてはかなりインチキ。そうではなく、あれは人間の心理に切り込む寓話なのだと思うと分かる。遠い宇宙に人間がいても、それは寓話なのだ」
「で、その話がどうつながるの?」
「WikiPediaのイングマール・ベルイマンの項目を見ている時に目から鱗が落ちた」
『第七の封印』や『沈黙』のような、形而上学的とも言われる代表作から難解な作家とも評されるが、一方で(時に難解なテーマを伴ってはいても全体的には)わかりやすい作品も多い。
「つまりなんだい?」
「形而上だよ。実はスペース1999を特徴付けるのに良い言葉が形而上であることに気づいた。しかも、難しい題材を扱っているときでも話そのものは分かりやすい」
「特徴が重なるわけだね」
「そう思うと、表現は大きく違うが似たようなことをしているな、という気もしてくる」
「つまり、そもそもスペース1999はイングマール・ベルイマンの影響を受けていて、Victor BergmanのBergmanは影響の存在を暗示するために埋めこまれた単語と見なすわけだね?」
「まあそういう仮説もあり得るなと思い付いた」
時代の問題 §
「時代的にはどうなんだ?」
「スペース1999は1974年だがベルイマン監督は50年代、60年代に既に作風とネームバリューを確立している」
「時系列的に無理はないのだね」
オマケ §
「すると、ラッセル(Russell)とかコーニッグ(Koenig)も何かの暗示かも知れない……というアイデアにも至ったがそこは突っ込んでいない」
「そうか」
「が、別の話が沸いて出た。この話題は続く」
「続くのかよ」