運良く中古ショップでハセガワの【たまごワールド EW03 PHANTOM BOY】を入手できたので、現行商品の【たまごひこーき TH5 F-4 ファントムII】とランナーを比較してみた。
目的 §
以下の疑問に答える。
- ファントムボーイはジオラマ仕立てになっていて、商品構成が大きく異なるが、機体は同じに見える。何が違うのか。
- 現行たまごファントムは、ランナーの形がいびつである。それはなぜか
- 現行たまごファントムは、デカールが2枚入っている。それはなぜか
比較写真 §
ランナーの相違 §
ファントムボーイにあって、現行たまごファントムには存在しないパーツを赤色で示す。
ファントムボーイにのみ存在する要素 §
- 台座パーツ
- 爆弾2個(4パーツ)
- 爆弾を乗せる台車
- ファントム本体を支える針金 (ただし、機体側の針金を入れる穴は現行たまごファントムにも存在していて相違はない)
現行たまごファントムにのみ存在する要素 §
変更されている箇所 §
- パッケージ
- 説明書
- 1枚目のデカールの商品名の表記【PHANTOM BOY ファントムBOY】→【TH5 PHANTOM II F-4ファントムII 2007.11OFS】
- Bランナーは箱への収納角度が90度違うため、全くの別ランナーに見えてしまう (Bランナーはカットによって90度まわした状態で箱に収納ができるようになった
- 箱の向き。ファントムボーイは縦長のボックスアートである
変更されていない箇所 §
- 箱のサイズ
- AランナーとBランナーに含まれる商品名のモールドが、表はF-4 PHANTOM IIで裏がPHANTOM BOY
- 透明ランナーはファントムBOY表記のみ
現行たまごファントムは、ランナーの形がいびつである。それはなぜか §
爆弾と台座のパーツの部分がカットされているので、その部分が不定型に切り取られてランナーが長方形になっていない。金型を最初に作成した時点では長方形だった。
現行たまごファントムは、デカールが2枚入っている。それはなぜか §
2枚目の細部のデカールは後から追加されたものと思われる。サイズの大きい1枚目のデカールは商品名表記を除けば基本的に同じ内容。
ランナーの変更はカットだけか? §
当初、カットされた部分だけが変更箇所かと思ったが違う。スプーク君が持つガトリングと、爆弾を乗せる台車の部分は、ランナーがそこだけ空白になっていて、そこも金型が改修されている。
ファントムボーイのランナーをカットして出荷しているという解釈はおそらく成立しない。
ランナーの変更はBランナーだけか? §
違う。爆弾を乗せる台車が無くなっているが、それはAランナーにある。金型改修はAランナーとBランナーに及んでいる。(透明ランナーは同じと思われる)
まとめ §
一部のパーツを成形しない金型改修が行われている。
一部はランナーの枠ごと除去されている。
残されたパーツは基本的に変更はないものと思われる。
飛行機の一部とは言えないスプーク君に限ってはカットされないで残存しているが、スプーク君が肩に掛けていたガトリングと、彼が引いていた爆弾を乗せた台車はカットされている。
比較的ローコストで修正可能だったと思われるデカールに限っては商品名の訂正が行われているが、比較的高価に付くと思われる金型改修はプラが流れるべき場所に流さないという改修に限定され、商品名の訂正は行われていない。つまり、ランナーを見ると、現行たまごファントムでもファントムBOYの文字を見ることは容易。
感想 §
「こんな比較をして満足かい?」
「ああ、いろいろな謎が音を立てて氷解していくのは爽快だったし、予想を裏切る意外な相違点も多くあった。面白かったよ」
「で、ファントムボーイ作るの?」
「貴重すぎて作れないよ」
「比較用に買った現行たまごファントムは?」
「そっちは作ってしまうかも知れない」