「ククルカンという言葉を見て、からくりサーカスを連想した」
「それは【あるるかん】」
「でも検索したらヤマト2199に出ていた」
「もう忘れたのかよ」
「そこでハッと気付いたのだが、実はヤマト1974は昨日のことのように思えるのに、ヤマト2199って既に30年ぐらい経った気がするのだよ。ほとんど忘れてることばかり」
「なんでそんな過去現在未来へと続く時間法則に逆らうような結果になるんだよ」
「原因はおそらく1つではない。プラス要素とマイナス要素があるからだ」
「たった1つの原因だけでは説明できないわけだ。単純ではないわけだね」
「そう」
「じゃあ。ヤマト1974にとってのプラス要素は?」
「子供の頃に見たものは記憶に残りやすい。しかも、LD、DVD、BDで買って見返す回数も多い」
「今も時々見返すわけだね」
「そうだな。たまにチェック事項があって再生する」
「じゃあヤマト2199のマイナス要素は?」
「設定が多すぎる。しかも大半の設定は話の本筋に関係なく、興味がない。設定が多いと細部をどんどん取りこぼすし、年寄りは興味が薄いとすぐ忘れる」
「なるほど。面白いとか面白くないとか言う以前に、設定量の暴力で殴り倒されているわけだね」
「そうだ。話の本筋と全く関係ないメカやキャラの細部の設定なんて、正直どうでもいい。知ったところで別に味わいは深くならないからだ」
「マイナス要素はそれだけ?」
「ヤマト2199は見返すことがない。最後に見たのはいつか、もう思い出せないレベル。たぶん、どこかのテレビ局での再放送。もう何年も前。BD全巻があって、テレビ録画が本放送時と再放送時の2本ずつBDレコーダーのHDDに収まっているがそれらを再生する機会はまずない」
「ヤマト1974は見返すことがあるのに、なぜヤマト2199は見返さないの?」
「それは野暮な問いかけというものだぜ」
「何が野暮なんだよ」
「緯度0大作戦のDVDボックスを持っていて、あれは特に好きな映画だが何年も再生されていない。特に好きな映画ですら、そんなものだ」
「たとえ好きであっても、どうしても必要なチェック事項が出てくるまで再生されることはないってことだね」
「その上、ヤマト2199は【好き】と言い切るほど好きでもないしな。好きな要素もあるが、大筋においては趣味じゃない」
「ぎゃふん」
オマケ §
「好きな要素だけ再生しないの?」
「【それは……証明できないんだよ】と伊東に言う真田の顔を脳内スクリーンで再生する方が美しい思い出に浸れるからな」
「実際の映像を見ちゃうといろいろ余計なものが見えて美しくないわけだね」
オマケ2 §
「ゲールだけ見たい編集版ヤマト2199とかあったら良いと思う?」
「良くない。意味も無くゲール死ぬし」
「なんでゲール死んでしまうん?」
「節子、それはゲールやない。ゲートルや」
「宇宙ゲートルですね」
「宇宙ビートルやあらへんがな」