「まず結論から言えば、面白かった」
「戦隊絶好調だね」
「話の本筋はありきたりで結末がすぐ予想できてしまうような内容であったが、それと面白さは無関係であることがよく分かった。ショウ・ロンポーは愛された隊長であったことがよく分かるから、残されたキュウレンジャーが熱心に戦う気持もよく分かる」
「ショウ・ロンポーは生きていると予想できた?」
「簡単に予想できた。しかし、ショウ・ロンポーを助けられずに気持ちが沈み込む一同の描写がしっかりしているからちゃんと見応えがあった。気持ちも伝わった」
「ふむふむ」
人数問題 §
「キュウレンジャーは人数が多い。しかし、そこは上手くやれていたと思う。同じ目的のために三つのフィールドに別れて進行するのは良かった。プロレスだったりバイクだったり、工夫も良かった」
「ふむふむ」
「それがもっとも効果的に使われたのが3つ重なった戦闘」
「というと?」
「手前でショウ・ロンポーが等身大で戦っていて、その奥で巨大ロボが戦っていて、更にその奥で天体サイズの伝説が戦っている三重の描写が良かった。ゴーバスの時に手前で生身、奥でロボ戦というのをやっていたが、そこが更に三重に増えた感じ」
「それも立体的で良かったわけだね」
軸の問題 §
「この映画、実は軸が3つある。1つは、ショウ・ロンポーとホイ・コウローの確執。もう1つは、ラッキーが天体を阻止する話、最後の1つは実は隠された軸で、 最強の戦士ホウオウソルジャーの存在感。テレビシリーズとの連動で表出する」
「その3つの軸がそのまま3つ重なった戦闘に当てはまるわけだね」
「そうだ。このうち、ホウオウソルジャーの軸は実は目立たないが必要」
「なぜ?」
「等身大と天体サイズの戦闘だけでは上手く馴染まないからだ。中間に対比物として巨大ロボを配置する方が良い。それをホウオウソルジャーが担っていた」
「作りが上手い映画だってことだね」
地球が巨大キュータマになるイメージ §
「地球が巨大キュータマになるイメージは良かった。ああいうスケール感の大きい描写は好きだぞ。無敵戦艦ワルキューレみたいで」
「ホラは大きい方がいいわけだね」
エンディング §
「音頭か……と思ったら途中で変わった。上手いな。テレビで音頭に慣らされていると、おおっと思う」
「最後まで楽しめたわけだね」
「よっしゃ、ラッキー」