「面白いねえ」
「どこが面白いの?」
「今回の内容は魔法先生ネギま!のあり得た理想的な最終回なんだよ。順当にあのまま物語が進んで迎えるであろう完全なハッピーエンド。ナギは救われて超にまで再見してしまう完全な終わり。ネギもナギも結婚できてしまう」
「そのことがどんな風に問題なんだ?」
「実は物語構造的にこれは間違いそのものなんよ。完全無欠の結末は物語的には間違っている」
「え? 意味が分からないな」
「だからね。この結末は間違いであるからこそ、UQ Holderの物語はここで終わることができないわけだ。刀太は別の終わり方を模索しなければならない」
「なぜ間違いなの?」
「少年少女達が未熟さを克服したとき、そこで魔法先生ネギま!という物語は死んでしまった。だから最後の方はグダグダになってしまう。少年少女達への最後の試練たる魔法世界編の途中からグダグダになってしまった気がする。そこから物語の構造を書き換えないと続けるのは難しかったが、それに失敗した感がある。UQ Holderというのは、失敗に対するリスタートなのだろうと思う」
「どのあたりを改善してのリスタートなんだ?」
「不死の設定に弱点を仕込んであるのさ」
「ネギま!の魔法ではダメだったと言うこと?」
「みんな、単体で強力すぎる能力を持っているからね。それを駆使する能力と意思を獲得して集合してしまうと、物語的に勝って当たり前になってしまい。盛り上がりを欠く」
「だから、UQ Holderで明日菜はリリーフにしか登場できないわけだね」
「そう。そして、完全すぎる者達はみんな敵に回ってしまう」