人間そっくりに受け答えするボットちゃんが流行った。あまりにボットちゃんが面白いので、利用者はボットちゃんに群がった。
ボットちゃんファンのオフ会が開催され、会場の居酒屋で盛り上がった。
しかし、メインディッシュのカキが悪かった。食べた全員が店員ごとその場で死んでしまった。
付けっぱなしのテレビから流れてくるアナウンサーの声だけがずっと流れていたが、それもボットだった。「それでは本日の放送はこれで終わりです。お休みなさい」
すると、ボットちゃんはネットに接続して「お休みなさい」とリプライを返した。
それからアナウンサーボットとボットちゃんは待ち合わせ場所を相談して、夜のネットに連れ立って消えていった。
(遠野秋彦・作 ©2017 TOHNO, Akihiko)