「ヤマト2199は緻密という主張を見て違和感があった」
「なぜ?」
「ヤマト2199は穴だけだからだ」
「えー」
「ヤマト2199は穴だらけだが、26話で何とか穴を塞いで応急修理して、多くの問題を棚上げにして地球に帰り着いた。その後で、追憶の航海で全面的なメンテナンスが行われた。でも、星巡る方舟でまた大穴を開けちゃった。おかげで、監督が替わってしまうような大騒動になってヤマト2202に至るが、穴を塞ぐどころか【穴を開ける場所が間違っていました】と開き直って穴を増やす始末。まあ穴が増えてアンドロメダのファンは喜んでいるかもしれないがな」
「なぜ穴が増えるとアンドロメダのファンが喜ぶんだよ」
「だって、波動砲の発射口がアンドロメダは二つに増えている」
「ぎゃふん」
「しかし、何となく【緻密】とは何か、という言葉の意味が見えてきた」
「じゃあ、【ヤマト2199は緻密】と言った場合の【緻密】の意味はなんだい?」
「情報量が多いということだ。ともかく設定が極めて多いし、映像に盛り込まれた情報量が多い」
「古代が活躍する隙が存在しないぐらいギチギチに詰まっているってことだね」
「森雪もほとんど活躍できないよ」
「ってことは、ヤマト2202が【緻密】ではないという意味は?」
「つまり、情報量が少ない。確かに登場人物も絞り込まれて少なくなっているし、メカの種類も少ない。特に新メカが少ない」
「なるほど。でもさ、情報量の過多はチラッと見るだけの客にはデメリットじゃないか」
「そうだよ。覚えることが多すぎると一般客は置いて行かれる。マイナスだ」
「じゃあ、【緻密ではない】という批判は必ずしも否定的ではないのでは?」
「そうだね。少なくとも情報量のコントロールはできているのかもしれないね。でも、ヤマト2199を基準に考えると物足りないのかもしれない」
「ではヤマト2202は情報量を増やせばいい? 今のままでいいの?」
「そいつは究極の問題だな。増やせば2199ファンは満足するかも知れないが、一般客は逃げる」
「君は個人的にどっちがいいと思う?」
「選ぶのはおいらではない。スタッフだ。スタッフに問えばいい」
「分かった。おまえの愛を選べ、と言えばいいんだね?」
「そうだな」
「じゃあ君の愛はどこに行った?」
「そんなものはない」
「だから愛が足りないのだ、ということだね? そうは思わないかテレサ?」
「テレサじゃあらへんがな」