「ヤマトに関する世界観が変わるときはどんなときか」
「どんな時だい?」
「メーテルレジェンドと宇宙交響詩メーテルを見たことが契機だったのかな」
「そんなに良かった?」
「いや。つまらなかったぜ。特に最初の方が」
「えー」
「でも意識は変わったのかも知れない」
「どう変わった?」
「1000年女王も人の子。どんどんダメになっていく。幼い時代のメーテルは幼い。エメラルダスも幼い。幼いがゆえにエメラルダスは家出しちゃうしね」
「それで意識が変わるの?」
「そうだな。役割を持った記号的なキャラクターから生々しい人間らしい存在として意識可能になった」
「それは意味があるの?」
「そうだな。以前よりエメラルダスが好きになってエメラルダス号のプラモも買ったのはその影響があるだろう」
「でもさ。それはエメラルダスの問題であってヤマトの問題ではないぞ」
「関係するんだよ」
「どうして?」
「エメラルダス号はエメラルダス一人で動かしている私的な船。それならああいう雰囲気でも良い。一人で船を動かしている理由も他者に厳しい理由も出自から分かる。でも、それを前提に考えればヤマトは全くの別物。同じような扱いにはできないのだ」
「家出娘が一人で生きていくために手に入れた宇宙船と、国家が総力を挙げて救済のために作った戦艦では同列にならないわけだね」
「乗組員の位置づけも全く違う。人数も違う」