「2005年ぐらいまでの自分は、かくありたいと思う自分になれていなかった」
「自己認識の問題だね」
「そうだ。しかし、少しずつ手応えを感じて2009年頃の自分は、なりたい自分になる途上の存在であった」
「過去形?」
「そう。なぜなら、ヤマト復活篇でかなり人生のレールが狂ってしまったからだ」
「問題はどこにあるんだ?」
「結局は自分にある。誘惑を断ち切れなかった自分が悪い。他人が悪いとは言わない」
「なら話はそこで終わりだね」
「そうでもない」
「……というと?」
「今、一つの時代を終わらせつつあるからさ」
「それは具体的になんだい?」
「部屋の全面的な整理だ」
「過去の膿を出しているってことだね」
「そうだ。その過程でどうしても過去が掘り出されてくる」
「過去か!」
「だから、そこで自分がどういう方向に向かおうとしていたのか。何がそれを妨げたのかも良く分かる」
「過去の清算?」
「そういう要素もあるだろう」
「それで結局君はどこへ行くんだ?」
「それが分からない場所に行くことになるだろう」
「えー。それじゃ分からないよ」
「ははは」
「じゃあ、ヤマトはどうするんだい?」
「今自分が見ているヤマトはひたすら70年代なのでね。おそらく、ヤマト2202が大好きな人たちとは完全に趣味が一致しないだろう」
「それはどういうことだい?」
「もはや、歴史趣味の一部に統合されてしまった……ということだよ」
「現在進行形の何かにはもう興味は無いわけだね」
「面白かったら単なる娯楽として消費するかもしれないよ」
「ドライブヘッドみたいに?」
「そうだな」