「松本零士がぐいぐい来る松本零士の時代が周期的に到来するということに気付いた」
「そんな時代があるのか」
「1回目は、ワダチ、ガンフロンティア、男おいどんなどの時代、この時代は1974年の宇宙戦艦ヤマトでピークに達する」
「2回目は?」
「映画の千年女王からわが青春のアルカディアの時代。社会の人気はなくとも、伸び伸びと趣味性の高い映画を連発できた。あの勢いが止まった理由は人気が出なかったからという理由しかない。時代は無限軌道SSXよりうる星やつらだったのだ」
「じゃあ3回目は?」
「コスモウォーリアー零あたりの時代だろうな。特にOVA。ハーロックがトチローの四畳半を守るために戦う話など、あそこまでぶっ飛んだアニメは滅多に見られない」
「その次は?」
「今じゃないか。次元航海やアルティメットジャーニーがぐいぐい来る」
「待て。次元航海やアルティメットジャーニーは松本零士作品と言えるのか?」
「世代がわりしているけど、文化は継承されていると思うぞ」
「じゃあ、今の時代、君は次元航海やアルティメットジャーニーがアニメ化されることを望むかい?」
「望まない。中味がぬるま湯になるだけだ。テロリスト星野鉄郎が正義の味方になったアニメが見たいと思うか?」
「そんなものかね」
「今のアニメ界では、松本零士的な世界観を映像化するハードルはもの凄く高いだろう」
「昔とは違うわけだね」
「松本零士で育った世代はまだまだいると思うが、もう現場があれを理解しないよ」