「検索の結果、新宿歴史博物館に【餘暇善用市民ハイキング 菊地隆之著 朋文堂 1941年】があると分かって見に行ったよ」
「野猿峠ハイキングコース研究の一環だね」
「そうだ」
「それでどうだった?」
「野猿峠の野の字もなかった。深大寺も高幡不動も高尾山も八王子も出てくるが、野猿峠は全く載っていなかった」
「えー。駄目じゃん」
「結局、ハイキング先の重要度として、当時から高尾山にすら重要度は劣っていたと考えざるを得ない」
「やはり、野猿峠が人気を持つのは昭和30年頃ということだね」
「しかし、本としては凄く面白かった。……というか、これは本当にハイキングの本なのか」
「どうして?」
「遊園地、ゴルフ場、寺、盛り場の説明なんかも含まれているんだよ。肝心のハイキングコースの説明はあまりない」
「えー」
「インチキ臭いハイキングが横行しているという嘆きも読んだことがあるので、こういうのが自称ハイキングなのかなあ」
「なるほど」
「その代わり、鮫陵源の写真があったり、多摩カンツリー倶楽部の情報が書いてあったり、中味は凄く良いぞ」
「多摩カンツリー倶楽部?」
「その話題は別途書く」
「ともかく、中味は面白かったわけだね」
「しかし、最低限、知りたいことだけコピーしてきた。興味深い箇所を全てコピーしようと思ったら切りが無いからね」
「そうか」
「餘暇善用市民ハイキングは昭和16年に出ているが、これは昭和14年の市民ハイキングの改訂版らしい。タイトルの餘暇善用が無い場合は、同じ本の改訂前ということらしい」