新日本宇宙軍重巡洋艦『高尾』10 : 銀河ネットワークで高尾撃沈を宣言した装甲クジラ
「辺境艦隊シリーズ新刊だ」
「なぜ9がなくて10なんだい?」
「宇宙巡洋艦NEO那智: 討伐! 重武装密輸船団・捨て身の偽装作戦を9にすることに決めたからだ」
「なぜ那智が9になるんだい?」
「実は、那智のピンチに飛んできて、たった一隻で大艦隊と戦うプリンツ・アーダルベルトは、禁断のあの力を使っているという伏線になるからさ」
「禁断のあの力ってなに?」
「新日本宇宙軍重巡洋艦『高尾』8 : 高尾対幽霊戦艦大和を読めば何となく分かる」
「あの力か」
「那智は本来は外伝の予定だったのだけどね」
「どうして外伝の予定だったの?」
「企画時には那智以外の設定は何もなかったからさ。ストーリーの詳細を煮詰めていく間にプリンツ・アーダルベルトという巡洋艦が誕生した。第13帝国を名乗るネオナチに何か軍艦を与える必要が出てきたのでね」
「ところで、9巻じゃなくて、10巻の告知なんだから10巻の話をしろよ」
「そうだな。10巻は8巻の続き。遠い宇宙に放り出された高尾と他2隻がどうやって【生きている死】の襲撃を振り切って故郷に戻る道を探すかの話だ」
「地球に戻るんじゃなくて?」
「新日本の首都は地球ではなく新京都なんだよ。そこから出発したんだ。戻る先は地球ではないんだ」
「なるほど」
「というわけで、高尾の撃沈宣言を出した装甲クジラのウルフが、単独行動する高尾をつけ狙うというお話だ」
「撃沈宣言を出すとどうなるの?」
「他の【生きている死】は高尾を攻撃できなくなる。高尾を攻撃して良いのは宣言を出したウルフだけ。だから無数の【生きている死】から包囲されて殲滅されることは回避できる。しかし、狂犬のように好戦的なウルフが執拗に追いかけてくることは阻止できない」
「一つのピンチは脱しても、もう1つのピンチは迫ってくるわけだね」
「そうだ。高尾ははたして装甲クジラたちと無数の護衛艦の追撃を退けて、故郷に戻る道を発見できるか」
「つまり、【故郷への長い道】はクジラが出てくる物語ってことだね?」
「違うよ。空母と滑空試験用のスペースシャトルみたいな名前の宇宙船とは何の関係もないよ。実は【生きている死】がクジラ型という設定は第3シリーズ開始時にはもう確定していたのだ。故郷探しとは関係ない」
「じゃあ銀河ネットワークはどうなんだ?」
「これは10巻を成立させるために新規に作った設定だ」
「銀河ネットワークは撃沈宣言をするためのものだね」
「いや、もっといろいろ活躍するぞ」
「銀河ネットワークでクジラが歌を歌う?」
「歌は出てくるけど、クジラは歌わないよ。大原まり子じゃないんだから」
「そうか。四宮四季は歌手だからね」
「牧野あんこ艦長も始球式で四季と一緒に歌を歌った経験者だ。まあ割と歌は登場する物語だぞ」
「二人の特徴は超巨乳以外にもあったんだね」
「いやいや。乳以外に特徴がなかったらそんなものキャラクターじゃないって」
「最後に一言」
「高尾の主砲の徹甲弾体でも撃ち抜けない装甲を持つ装甲クジラをどう攻略するか。是非、読んでね」
新日本宇宙軍重巡洋艦『高尾』10 : 銀河ネットワークで高尾撃沈を宣言した装甲クジラ