「天然の女たらしの刀太がついにニキティスまで籠絡してしまった」
「えー」
「今回のあらすじは要するに殴り合ってダチになるというオタクが嫌いな王道少年マンガなんだよね」
「なるほど」
「そこに、本心というスパイスが降りかかっている」
「一人一人に心があるから、物語の展開が複雑になるんだね」
「複雑といえば、ちゃんとキリヱは攻撃しないという設定が生きているから、ホルダー全員がまとめて倒されるところでもきちんとキリヱが除外されていて話が単調にならないようになっている」
「なるほど」
「ついでに言えば、拘束されるキリヱがお色気要員として機能しているところも見逃せない」
「えー」
「UQ HOLDER全員が刺されて並ぶ(一部人間だけ別として)という最悪の絵柄から、バアルがボコボコになるギャグへの落差が物語の本質そのものだ。構成が上手いねえ」
「結局この物語構成はなんだい?」
「バアルが同格の脅威を複数引き連れて攻めてきたら勝てないけど、【同格の脅威】がバアルの仲間というわけでもないから途中でグダグダになってしまう」
「問題の提示と解決が上手いってことだね」
「問題はダーナの解決があまりにも筋が通らずに問答無用なところだが、ダーナはもともと筋が通らずに問答無用なキャラだからそれで押し通せるようなところがある。ダーナがいなかったら成立しない物語だよ」