「うん。こういうちゃんとプロが描いている作品は好きだぞ。肩の力を抜いて安心して客として楽しめる」
「どこが良かった?」
「ストーリー的には順調に進行していることが、【罠】かもしれないというアンカーを入れることで、イケイケな感じを引き締めている。上手い構成だ」
「ストーリー以外では?」
「空中に浮かんだ船、いわゆる宇宙戦艦もので納得した作品はあまり多くない。アニメだとバトルスピリッツブレイヴが良かった。コミックだと無敵戦艦ワルキューレが良かった。そういう意味で、今回の浮かぶクジラ型の船の描写は凄く絵的に良かった。単に描き方が良いだけでなく、出目金号と大型船が並んでいる距離感や位置関係の描き方も良かった。実はその辺がいい加減な作品って多いのよ」
「なぜヤマト2199とかヤマト2202が出てこない」
「あれはダメだ。あまりよくない。特に2202は途中で見るのをやめちゃった。見て娯楽にならない。金を払う意味が無いし、そもそもタダでも要らん」
「えー」
「UQ Holderは金を払って楽しむ価値があると思うので、毎月別冊少年マガジンを買っている」
「かなり割高だね」
「しかし、読んでいて楽しいものならそれで良い」
「じゃあ、今回一番楽しかった要素は何?」
「魔力を大量に使って子供の姿に戻ったエヴァちゃんかな。すっかりギャグキャラになった真祖のお兄ちゃんも面白かったけど」
「エヴァが子供の姿になるとどう良いの?」
「心の虚飾を剥ぎ取って本音で向き合う演出になる」
「それから?」
「刀太と二人だけで孤立したとき、魔力が減った無力なエヴァという条件は物語を盛り上げる」
「次の展開を暗示させるような描写が多いってことだね」
「そう。でも、意外とそれが上手くできていない作品って多いのよ。単にピンチに陥って続くだけとか」