「ACE COMBATシリーズの続編のことを考えた。7の次とシリーズ最終作」
「7の次とは8あたりってことだね」
「そう」
「最終作とは?」
「3の世界が一応のゴールだろう。世界観としてはその先もあるのだがね。飛行機の世界は3で終わりだろう」
「そこから先はUGSFシリーズで宇宙ってことだね」
「まあ3でも宇宙には行くがな」
「ぎゃふん」
「問題は7の次だが、2020年頃を過ぎると、もう1997年10月10日生まれのディジョンが若者として登場できる時代に入ってくるから、ディジョン、サイモン、ヨーコの青春トライアングルで突っ走るような内容でも良いのではないかという気がしてきた」
「若いディジョンが教官から【空力を活かせ】といじめられるような内容だね」
「ディジョンらしい展開ならいくらでもある」
「それは3の設定に全て縛られるってこと?」
「必ずしもそうでは無い。3で語られる過去は結局ディジョンやサイモンの主観がメインだから、実際はそうではなかったという話もできるし、その方が意外性があって盛り上がる」
「なるほど。そして3がゴールなのだね」
「……と思ったが違うかも知れない」
「それはなぜ?」
「3は終わってないからだ」
「その意味は?」
「真のエンディングでサイモンは、これまでのは全てシミュレーションでこれから現実世界にNEMOを解き放つと言って終わる。解き放ったあとどうなるのかは一切分からない」
「二週目のプレイが現実という意味ではないの?」
「そう思っていたが、そう解釈しない方が自然かも知れない」
「それはなぜ?」
「シミュレーションはあくまでサイモンの世界観だからさ。現実はきっと違う」
「つまり何?」
「ACE COMBAT 3と似ているが展開が異なる新タイトルはあって良い。サイモンが予想もしなかった出来事が次々と起こり、話の展開がどんどん変化していく。自我に目ざめたNEMOがジオペリアに乗って、ゲイムのディジョンとナイトレーベンの玲名を従えてサイモンを殺しに行くような展開があっても良いと思う。あるいはエレクトロニクスの対決でディジョンと融合してしまうNEMOとか」
「戦闘機で行ってサイモンが抵抗できるのかよ」
「NEMOのデータは握っているから、大量のNEMOコピー搭載無人機が襲ってくるのさ」
「それで?」
「ピンチになると、UPEOとニューコムとゼネラルの仲間が全員助けに来たりすると燃える展開になるな」
「フィーの機体をサブリメーションしたシンシアがエレクトロスフィアからアシストして支援するとか?」
「ナイトレーベンに挟まらないで編隊飛行するキースとかな」
「結局君としては何を思ったんだ?」
「いやね。ACE COMBAT 3を全ルートクリアしてサイモンの言葉を聞いた後で思ったのだが、これから本物の復讐を始めると言っているのに最初に戻るだけというのは物足りないなあと。そのことを思い出した」
「だから、3は終点【ではない】と思うわけだね」
「むしろ、3の続編こそが最終的に期待されるものだろう」
「シリーズ最大の穴はそこにあるってことだね」
「そう。死ぬほど下らない唾棄すべき現実を突きつけられて、それでもNEMOはその逆境を跳ね返して勝たねばならぬ」
「そもそもNEMOって何者だよ」
「過去の歴代ACE COMBAT主人公パイロット達の全てのデータを合成して作られた最強のエース。全ての名を持つエース。それゆえに、名前を持たざる者【NEMO】を名乗る者ではないか」
「フェニックスであり、メビウスであり、ブレイズであり、タリズマンであり、トリガーであるわけだね」
「……という解釈でも面白いなあ」
「勝手な解釈かい」
「しかし、そう解釈すると本当にシリーズを終了させることができる」
「ACE COMBATの新作はもうなくなる?」
「いや別に、その後でACE COMBAT朝鮮戦争編とかベトナム戦争編があっても構わないぞ」