始まりの経緯 §
イナズマイレブン・脅威の侵略者編を今更見始めました。
理由は複数あります。
- イナダンが好きすぎてBD2枚、サントラCD、関連書籍数冊を買い集めてしまった結果、宮尾佳和監督に興味が出て来て、宮尾佳和監督が作った脅威の侵略者編に興味が出て来た
- 吉良瞳子監督とフランの類似性に気付いた。特に吉良瞳子監督のキャラクターをもっとよく理解したいと思った
- サーバの片隅に本放送時のイナズマイレブンの録画データが59話まで残っていることに気付いた
- 当初、宮尾佳和監督がTwiterでコメントしていた第38話【帝国の逆襲・後編!!】だけ見るつもりだったが全部見たくなった
一応、脅威の侵略者編を最後まで見たいと思いますが何話を最後と見なすかはまだ決めてません。
これまで見たエピソード §
- 38 帝国の逆襲・後編!!
- 59 ついに来た!エイリア学園!!
- 27 宇宙人が来た!
- 28 出撃!雷門イレブン!!
- 29 倒せ!黒の11人!!
- 30 脅威!エイリア学園!!
- 31 伝説のストライカーを探せ!
- 32 雪原の皇子(プリンス)!
- 33 エースストライカーはだれだ!
- 34 衝撃!エイリア学園!!
全体的な感想 §
意外と覚えているものだなあ。
イナズマキャラバンの出撃、SPフェイクサーズ戦、塔子の加入、豪炎寺の離脱、吹雪の加入など見たら思い出しました。露天風呂への塔子の【円堂一緒に入ろう】まで覚えていた。でも、この時期までまだ目金がいたのことは忘れてました。
しかし、今見ると実は当時間違った見方をしていたのかも知れないと思えてきました。つまり、26話までのイナズマイレブンとは決定的に違うことを行っていたにも関わらず、同じようなものを期待して見てしまったのではないかという疑惑です。
26話までのイナズマイレブンは超次元熱血スポーツアニメで、途中でエンジンのブレーキオイルを抜かれたり、武方三兄弟に円堂がボコボコにされるだけのエピソードがあったりわりとえげつない話はあるものの、最終的熱血的な融和と予定調和に回収される爽やかさがありました。
ところが、脅威の侵略者編というのは一言で要約すれば【あらゆる期待感を打ち砕く】内容です。全ての絶望の中でそれでも生き抜いて問題を解決することが作品の背骨であり、希望はありません。円堂達はイナズマキャラバンで旅をしながらエイリア学園と戦い、徐々に心が折れて仲間は離脱していき、新しいメンバーを集めて行きます。どれほど円堂が励ましても心が折れた者は離脱してしまいます。これは円堂にとっても挫折と絶望です。チームが一体になることすら難しい目標となります。そして、最終的に【宇宙からの侵略者に雷門イレブンが勝つ】という最後のカタルシスさえ視聴者には与えられません。宇宙からの侵略者はフェイクでしかないのです。
作品の軸は、吉良瞳子監督という自己表現が下手で謎の多い存在です。吉良瞳子の本音は響木すら掴みかねている(第35話)ぐらいで、屈折して複雑です。
しかしながら、まだ途中まで見ている段階なのでこのあたりで全体的な感想は終わりにしておきましょう。
清濁併せのむことことを求められる円堂 §
34話に至るまででも、既にイナズマキャラバンにはどす黒い感情が渦巻いています。染岡は豪炎寺離脱を納得しないで感情を発散しまくるし、風丸ですら絶望感をあらわにしてドーピング薬を求めて「神のアクアがあれば」と円堂に漏らします。一ノ瀬、土門も二人でつるんで孤立しがちです。
そういったどす黒い感情を身内に抱えて、あくまで正々堂々の爽やか路線を希求する円堂も、爽やかに応援するだけでは問題が解決しない状況に直面します。
そういう中で、まだしもイレブンが崩壊しないで最終戦まで行けたのは円堂の人徳ということもできるものの、円堂の爽やかな建前に固執する態度が離脱者を離反させたとも言えます。
ここはもっと見守りたいところですね。
大人の物語・子供の物語 §
イナズマイレブンは子供の物語です。
ところが、脅威の侵略者編は大人の物語と子供の物語の二階建て構造です。
子供の物語とは、必死に瞳子監督の指示の真意を考え、特訓し、エイリア学園に勝つ物語です。財前塔子が父を助けるためにサッカーで戦う物語です。つまりはエイリア学園というフィクションが生きている世界です。
大人の物語とは、エイリア学園というフィクションが必ずしも信じられていない世界です。財前総理が謎の男達に連れ去られ何かを言われて解放されるという世界です。謎の黒幕の男が和室でお茶を飲んで宇宙の神秘を意味深に語る物語です。
本放送を見ていた時は【子供の物語】として見ていたものの、今回は【大人の物語】として改めて鑑賞したいと思います。きっと印象が大きく変わるはずです。
これぞ演出! §
【帝国の逆襲・後編!!】で担架に乗った佐久間 のシーンで、同じように倒れたにも関わらず鬼道から話しかけて貰えず横で見ているだけの源田、これぞ演出ですね。源田は何も言いませんが、見ている視線だけで語っています。
それから後ろで顔を抑えているだけで台詞もない秋も凄い。みんな気休めを言って佐久間を応援しているのに、秋だけは後ろで泣いていて、佐久間は本当なら絶望的だと言うことが良く分かります。これぞ演出。
【衝撃!エイリア学園!!】で、ジェミニストーム戦勝利後、一人だけ離れて父親に電話して勝利を報告している塔子。これも演出だねえ。塔子が好きなのは円堂よりパパだということが良く分かります。そして、チームは何となく一体の何かではなく、別の感情を持った個人の集合体だと分かります。何より勝利の臨場感があります。
ついでに、【出撃!雷門イレブン!!】でのイナズマキャラバン出発の盛り上がる感じも良かった。
イナズマキャラバン §
実はイナズマキャラバンって、イナズマイレブンGOのイナズマTMキャラバンより凄いのではないだろうか。
事実上二階建て(ただし客席は2階のみ)だし、キッチンも付いているし、側面のロゴもカッコいい。
まとめ §
やはりイナズマイレブンは染岡だ。
……という話はともかく、脅威の侵略者編が終わるまでまだ20回以上あるので楽しみです。
特に、吉良瞳子監督がいい。これからも、彼女を見守りたいと思います。颯爽として格好いいし、あの冷たい言い切り型の命令も良い。
取りあえず、こんなものを見てしまうと【宮尾佳和監督にマジで感謝】と思わず言っちゃうじゃないか。
余談 §
実はついでに第100話が【奇跡!カッパとの遭遇!?】ということに気付いてしまった。オリオンの刻印のカッパと関係があったらしい。そうか、イナズマイレブンといえばカッパだったのか!