- 84 手に入れろ!世界への切符!!
- 85 来たぜ!世界大会!!
ついに来ました。
84話までは監督宮尾佳和、総監督秋山勝仁の監督-総監督並立制ですが、85話からは監督秋山勝仁の単独監督です。
このことによって作品は変わったのか変わらなかったのか。
それが最終的に見届けたかったことです。
続いていること §
冒頭の警告,OP,EDなどは変化なし。
ストーリーもシームレスにつながっています。
飛行場には、豪炎寺の妹やフクさんが来ているし、予選決勝で負傷した二人はそのまま残留して予備メンバーと交代です。
事前に伏線があった【生きている円堂大介】はそのまま継続しているし、海外に行った雷門夏未もちゃんと伏線を回収に来ています。
一応問題なく続いているはず……です。
ですが……。
実は別のアニメになっていた §
実際に見て見ると、84話と85話の落差は歴然ですね。
圧倒的に印象が違います。
メカ描写と人物描写の質が歴然として違います。
メカ描写は、渋いイナズマキャラバンともっさりとしたイナズマジェットの差を見れば歴然。だから、イナズマキャラバンをイナズマジェットに積み込むシーンはちょっと変な印象も受けました。
キャラ描写については、たとえば豪炎寺夕香の無邪気に人間関係の闇をえぐるようなところが綺麗さっぱり消えてしまい、ただの無邪気な子供になっています。選手の交代もかなりあっさりと進んでいて、闇がありません。
大介さんが円堂に「お前のサッカーはどこにある」と言ったって、そもそも円堂は爺ちゃんの技を独自に進化させて戦ってきたので、発端は「爺ちゃんの技」でも自分なりのものがあったはずです。
いきなり、綺麗事のシナリオ通りに動く世界に放り込まれてしまった印象はありますね。
84話にあった濃厚な人物描写が綺麗さっぱり消えて、設定紹介と段取りの世界に入ったような感じです。
まあ、あと3話分あるので、もうちょっと見よう。
84話は最終回の作り §
84話の作りは事実上の最終回です。
全ての主要キャラクターに与えられた問題を解決して終わります。
具体的には、最後に残っていたのは飛鷹と豪炎寺の問題です。
それはともかく、豪炎寺パパの演技は意味深ですね。
豪炎寺を理解してサッカーを続けることを許可したわけですが、喜んで許可したようにも見えません。むしろ、精神的にまだまだ弱い息子を見て【もっと経験を積ませないとダメだ】と思ってサッカーを続けさせた可能性もあります。豪炎寺は必ずしも前向きに肯定されていない感じですね。しかし、豪炎寺は喜んでしまっています。
ある意味で屈折した豪炎寺編の結末に相応しい内容でした。
それから飛鷹は本当に凄いですね。見た目は奇抜なのに、喋らせると良い声の常識人。常識人のように挫折します。
余談 §
イナズマジェットのもっさりした感じは、ゲーム【イナズマイレブン3 世界への挑戦!!】の【アニメーション監督 / 絵コンテ / 演出:大杉宜弘】のテイストが反映されたものではないだろうか。藤子不二雄系作品を多数手がけた経歴があるらしいので、より線が少なく丸っこい感じの絵柄の方が好みなのではないだろうか。そうすると、【イナズマイレブン2 脅威の侵略者】の【アニメーション監督:宮尾佳和】と描き方の方向性が違っても納得できる。
余談・雄叫びボーイ WAO!の擬音について §
意味不明の「ドンガラガッシャン」という擬音が入るところが好き。
意味不明の擬音は大介さんのノートと同じ。
オマケ §
「鬼道。ついに俺達世界に行けるぞ!」
「世界に行って何をするんだ、円堂?」
「タイヤをもらって特訓する!」
「それ、国外に出る意味あったのか?」