人を魅了する物語の作り方 ゲームクリエイター、漫画家、小説家、シナリオライターを目指す君を飛躍させる秘伝の書
「これはなんだい?」
「新刊だ」
「ゲーム入門なのかい? 漫画入門なのかい? 小説入門なのかい? シナリオ入門なのかい?」
「どれでもない。物語の作り方を書いた」
「それはどういう意味だい?」
「物語とは特定の媒体に依存しない抽象的なものだからね。映画だろうと小説だろうと関係なく存在する共通の抽象的な【物語の構造】というものがある。それを自覚せず、物語ぐらい俺にも作れると勘違いした人が山ほどつまらない作品を生み出しているのでね。前から一度書きたかった」
「それはヤマト22○2のことかい?」
「途中からもう見てないからどんな内容は知らんがな」
「他にも一杯あるってことだね」
「そう。一杯ある。特定のこの作品を批判しているといわけではない。割と普遍的にどこにでも一定数含まれる」
「で、どのへんが見どころなんだい?」
「物語作りのテクニカルな視点から見たとき、名探偵コナンのどこが優れているか、若おかみは小学生!劇場版のどこが優れているのかを説明している。それは、面白い、面白くないというレイヤーとは全く別の物語構造的な話だ。完全に感動とは切り離されたテクニカルな話。あと自著もいくつか解説している。アーデラの事件簿とか、ふたなり女子大生とか、完全にネタバレになっているよ。結末から遡って創作するプロセスを説明しているからだ」
「なぜ自著を解説したんだい?」
「自分で作ったから作る過程を説明できるからだ。出来上がったものを解説するのではなく、どう作りあげるのかというプロセスを解説するなら、どうしてもプロセスを知っている自著を利用するしかない。分かり易さという点では、みんな知ってる有名アニメ、小説をサンプルにした方が良いのだけどね」