何かまた見たくなったので見ました。
前回見たのは確かCATVですが、今回はDVDなので0話も見られました。まあ、0話は事前宣伝ダイジェストだったので除外して考えましょう。
良かった点 §
コンセプトは良い。物語の大筋の構想も良い。キャラクターも良い。割と好感できる作品。
特に、如月妖華がヒーローではなく、若作りして無理をしているやや高年齢のセクシー美女という点は良い。社員にいつも助けられる存在。事務は示まもる少年に助けられ、その他ガッチリした彗迷さんや頼れる六昆に助けられる。つまり、如月妖華というのは虚勢の人。だから深酒に溺れる。
問題点 §
しかし、全般的にアニメのスタッフがその企画の良さを生かし切れていない感じはある。
キャラクターは良いが、若い女性キャラクターの描き方が平べったく、似たような印象になってしまう割に人数が多いのは弱点。如月妖華と六郷奈々美とゲストキャラの若い女性が区別できなくなる場合もある。
監督が1話ごとに異なり、全体としての一貫性を欠く感じはある。また話数ごとの出来の善し悪しの落差が著しい。
OP/EDの映像の出来が良いとも言い切れない。アイデアは悪くないが、演出や作画に難があり、作品の印象を実際以上に低めてしまっている。
事件ファイル 01 もう一度 炎のくちづけを -KISS OF FIRE- §
犯人だと思った吸血鬼がいい人だった話。
事件ファイル 02 地の果てまで君と -END OF WORLD- §
病院で行われる怪奇の話。
第1話で難があると思ったバランスの悪さが消えて、全てがスムーズにつながっていく感じでビックリした。
このあたりで、本作は1話ごとに監督が違うという特異な構造に気付く。
病院に来ている警察の男(狩野功蔵)がいい感じだった。
事件ファイル 03 誰よりも誰よりも君を愛す -LOVE ME TENDER- §
犯人だと思った悪霊がいい人だった話。
あれ? 第1話と同じパターン?
悪党をやっつけたらそれが仕事の依頼人で報酬が得られないという落ちは良い。
幽霊と酒を飲むところも良かった。
事件ファイル 04 君よ帰れ わが胸に -LOVER COME BACK TO ME §
自分達で出した魔物を自分たちで退治して正義の味方を装う僧の集団と戦う話。
実は、このエピソードでは最初から六昆ら社員が一緒に行動していて、如月妖華のピンチに駆けつけてくるわけではない。ラスボスとも如月妖華自身が対決する。つまり、如月妖華がヒーローとして機能しているという点で特殊。
如月妖華が最後のクライマックスでセクシーボディコン服に着替えるのも良かった。
全般的に §
全部見ると、第2話と第4話の出来が良い。
この2話は、監督が浅香守生であった。
ちょっと待て。
浅香守生という名前には聞き覚えがあるぞ。
カードキャプターさくらの監督だった人か!
カードキャプターさくらは当初BSアニメだったから見られなかった。しかし話題になった。
地上波に降りてきたときにやっと見たらつまらなかった。
好きなアニメではない。
けれど、ちゃんとした作品作りはできていたと思う。
途中からオタク達が怒りだしたからそうなのだとう思う。
だからどうしたということはないが、これからアニメを見るときは浅香守生という名前にちょっとだけ気を使ってみよう。
結局、幽幻怪社を見ようとして結局CCさくらに行き着いたのは意外であった。
おしまい。
総論 §
個性豊かな社員達が集まって問題を解決していく基本コンセプトの優秀さが光る作品だと思う。
問題は、ゲストキャラを含む女性の扱いがお色気要員として単調になりがちなところ。
たぶん、これは小説あるいはシナリオだと面白い。
絵にしてしまうと、単調感が出てしまうのではないか。
その点で、個性が全く如月妖華とかぶらない彗迷さんの存在感は大きい。(第4話には登場すらしていないにも関わらず!)
もう1つ。物語的にヒロインは示まもるであるが、如月妖華がお色気要員としてヒロイン的に振る舞ってしまうのも一貫性を欠いているような気もする。
とはいえ、基本コンセプトは正しい作品であり、見た後で悪い印象は残さない。過剰に色気を強調したお色気アニメという印象も残さない。