まだ本にまとめる段階でもないので、ブログにまとめる。
前提 §
子供の頃に図書館で読んだ古い本に、模型飛行機の操縦方法として、Uコンは2本の線で操作するがGコンは1本の線で操作するという記述があったと記憶する。
どんな本だったのか、どんな記述だったのかもはっきりしない。
GコンあるいはGコントロールは存在する用語なのか。
存在するとして、発祥はどこか。誰が使ったのか。どんな定義だったのか。実際の利用例は何か、等を知りたいと思った。
現状 §
WikiPediaのコントロール・ラインのページ(Uコンからリダイレクトされる)には、【一般的には模型航空機を1本または複数の操縦ラインを使用して飛行操縦させる手段】とされていて、1本で模型飛行機を飛ばす方法は存在し、【コントロール・ライン】という用語に包含されているようである。
しかしながら、筆者の興味は、GコンあるいはGコントロールという用語である。
WikiPediaのコントロール・ライン、英語版のControl lineにはGコンあるいはGコントロールという用語は一切出てこないので頼りにならない。
日本語WikiPediaが十分ではないことはいつものことだが、英語WikiPediaにも記述がないことはアメリカで使用されていない用語ではないかと推定できた。(もっとも英語WikiPediaが十分ではないことはいつものことだが)
従って、GコンあるいはGコントロールという用語という用語は昭和20年代30年代に使用された日本ローカルの用語ではないかと推定してみた。
発見された使用例 §
以上の前提から調査の結果、1件の利用例を発見した。
以下は、誠文堂新光社 少年工作4月号(1950年)の記事である。
この記事では動力なしである。手動で振り回して飛行させる。離陸はできないが着陸は楽しめるとしている。また記事中では2本でコントロールするUコントロールに劣らないとしており、Uコントロールに対比される言葉としてのGコントロールであることも分かる。
考察 §
以上の資料から分かること、分からないことは以下の点である。
- Gコントロールという用語は説明なしで見出しに使用できる程度にはメジャーであったと推測できる
- Gコントロールの定義は良く分からない (動力の有無は定義に関係するのか等)
- Gコントロールの始まりは良く分からない
- Gコントロールの終焉も良く分からない
- Gコントロールの全体像も良く分からない
ただし、まだ物資が乏しい1950年(昭和25年)頃であれば、エンジンを必要とするUコンはまだハードルが高く、線1本かつ無動力で飛ばすGコンにはそれなりのニーズがあったのではないかと推定できる。
今後の調査テーマ §
- GコンあるいはGコントロールは誰がいつから使い始めたのか
- GコンあるいはGコントロールはいつまで使用されたのか
- GコンあるいはGコントロールの定義は何だったのか
- Uコン機のようなGコン機の製品は存在したのか?
2020/12/20追記・電子書籍にまとめました §
この話題はより詳しく電子書籍にまとめました。
あなたの知らない日本模型飛行機史・ラジコンでもUコンでもないGコン、ボタン1つで飛ばす1チャンネルRC飛行機