ソースコード公開の歴史: 公開するといいことあるよ!
「これはなんだい?」
「新刊だ」
「君はOSS信者でないと思っていた。【公開するといいことあるよ!】っていうのは嘘かい?」
「いいや、本音だ。確かに1990年頃、ソースコードは公開した方が良いと思っていて他人にも勧めていた。これは事実」
「なるほど。そういう経験があるから、ソースコード公開の歴史という本が書けると思ったわけだね?」
「本文中で紹介したSIMTELのCD-ROMを買ったことだってあるし、そこに入っていたgawkの日本語版のjgawkを使っていたこともあるしな」
「いろいろ過去はあるのだね」
「全て分かるかと言われると無理だけど、少なくとも自分の経験は書ける。まあ書籍の意図としてはそれで十分だ」
「書籍の意図とは?」
「OSSという運動が始まる前から、ソースコードを公開する考え方はあったのだということさ。事実としてソースコードが公開された事例は山ほどある」
「つまり、OSS信者のOSS万能主義に風穴を開けたいわけだね?」
「いや。そこまでは言わないが。もともとOSS万能主義は穴だらけだし」
「ぎゃふん」
「しかしまあ、昔伽藍とバザールを精読したことが今頃こんな本で役に立つとは思わなかったよ」
「この本では伽藍とバザールに突っ込みを入れているのかい?」
「いや、それはやってない。この本は、OSS以前がメインテーマなので、伽藍とバザールの内容の是非にまでは踏み込んでいない。伽藍方式とバザール方式には言及したがどちらが正しいとかどちらがおかしいという話はしていない」