「映画扱いで良いのか分からないが、まあ映画扱いで感想を述べよう」
「TTFCで見たのだね?」
「ああ。2021年4月に公開されたばかりの新しい作品だ」
「どんな内容だい?」
「エグゼイドの登場人物とゼロワンの登場人物のクロスオーバー作品という感じかな」
「で、見た感想はどうだい?」
「割と短い作品なのだが、どうも入っていけない。入っていくためのフックがない」
「フック?」
「例えば、【仮面ライダージオウ NEXT TIME ゲイツ、マジェスティ】であれば、怪我をしてしまった柔道少年の苦悩は理解できる部分があり、そこから作品に入っていける。それを理解するのに特別な知識は要らない。ところが、ゲンムズの場合はそういう入口が欠けている。事業に失敗して再起のためにボロボロの部屋で仕事をしている男は、フックにならない。部屋がボロボロでも、美人秘書のロボットやその他の機材を揃えて自信たっぷりに語る男は、共感できるものではない」
「ふむふむ。そこが最大の問題?」
「いや、話の後半で第3のライダーが割り込んで、主人公そっちのけで戦いを始めてしまうのだ。もう話を追いかけられない」
「つまりなんだい?」
「これはエグゼイドとゼロワンのキャラのクロスオーバー作品であって、どちらも知っている人が【両方のキャラが一緒にいる】という状況を楽しむもので、そうじゃない人はあまりお呼びではない感じだろう。まあマニア向けのサービスだろう」
「Vシネクストの滅亡迅雷と比較してどう?」
「あっちは、話の筋道が整理されていて、ゼロワンを良く知らなくても入っていける感じはあった。あっちは商品になっていたと思う」
「で、君はどうしたい?」
「暇があったらもう1回ぐらい見ても良いかな」
オマケ §
「秘書の女の子ロボットの演技に人間的な感情がありすぎるのはどうかと思うが、これはもう最初からゼロワンという作品はそういうものだろうから、しょうがないのだろうな」
「そこは気になっちゃうわけだね」
「せっかく作られた機械として登場しているのだからね」